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1度も公式に寄付したことのない「ケチ」

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/499703.html原文入力:2011/10/06 22:41(1136字)
イ・ヒョンソプ記者

ジョブズをめぐる論議
Foxconn工場で自殺が続出したら
「中国の平均自殺率より低い」
協力業者に独占供給要求
「閉じられた生態系」批判も

5日(現地時間)死亡したスティーブ・ジョブズは、情報通信業界の革新を主導した優れた経営者だったが、一方では少なくない影を持っている「問題人物」と見られることもあった。好きなことには偏執狂のように食い込むが、その他のことは取るに足らないものと考え、切り捨てた。

ジョブズは社会と結び付くのを好まなかった。3月の段階で83億ドル(9兆8729億ウォン)に達する莫大な財産を持ちながらも、寄付にはケチだった。彼は驚くべきことに、今までただ一度も公式に寄付をしたことがない。アップルに復帰後、1997年からアップルが運営していた社会貢献プログラムまで中断させた。まず収益を出すのに集中しようというのが理由だったが、その後、アップルが途方もない黒字行進を続けるようになっても、復活させはしなかった。

彼のこのような姿勢は、社会活動が活発なビル・ゲイツやウォーレン・バフェットのような他の億万長者たちと比較され、彼が果たして尊敬を受けるに値する経営者かとの論議につながったりした。ニューヨーク・タイムズも、彼が「奇異な」程、寄付に何の関心も示さなかったと指摘した。アップルは、彼が最高経営責任者(CEO)の座から退いた先月から、職員たちの寄付に会社が同額を加える「マッチングシステム」を導入した。

彼の薄情な経営方式も話題となる。彼は少しでも自身の意に反する者はびしびし投げ出すことで有名だ。製品生産を全部外注に回す方式も、米国内での雇用創出にほとんど役に立たないとの批判を呼んだ。iPhoneとiPadを生産する中国Foxconnで自殺者が続出した時、彼は遺憾の意を表しながらも、「Foxconnの自殺率は、中国の平均自殺率より低い」という話でFoxconnを擁護した。

彼が協力業者と関係を結ぶ際に用いる戦略も、俎上に載る。彼は協力企業に対し、アップルのためだけに部品とソフトウェアを作り、他の所には使用できないように要求する。主要供給業者の部品が、アップルの最終製品だけのために、別に作らされるわけだ。このようになると部品を供給する企業は、アップルに対する従属性が強くならざるを得ない。彼が協力企業に「閉じられた生態系」を強要したという批判は、ここから出てくる。

イ・ヒョンソプ記者 sublee@hani.co.kr
原文: 訳 M.S