原文入力:2011/06/19 21:50(1726字)
チョン・ナムグ記者
日本の原発事故100日。東京・福島市など避難区域ではないが計測数値高まり
家の中でも許容値超過…放射能が不安で公園への出入りを敬遠
東京丸ノ内にある証券会社で課長代理として働くある女性(37)が今月初め、会社に辞表を出した。千葉県、松戸市に住むこの女性は小学校2年生の娘(7)と幼稚園に通う息子(4)を連れ実家のある鹿児島県に発つ計画だと週刊誌<アエラ>は最近報道した。放射能のためだ。
原子力発電所から200kmも離れているが、この女性が住んでいる家では時間当り最高0.2マイクロシーベルトの放射線量が計測された。年間(8760時間)では1.752ミリシーベルトだ。成人の年間被爆許容値 1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)を大きく上回る。 高圧洗浄機で家を洗ってみたがほとんど差がなかった。5月下旬、市当局が新松戸駅前で時間当り0.524マイクロシーベルトの放射線を計測したという消息を聞き、子供たちの将来のために職場を放棄することを決断した。
年間累積被爆量が20ミリシーベルトを越える避難区域に該当してはいないものの周辺に比べ放射線量が非常に高いいわゆる‘ホットスポット’に暮らす人々の悩みが深まっている。何よりも放射能に脆弱な子供たちの健康が最も大きな心配事だ。文部科学省は福島県の学校で生徒たちの外部活動制限基準をおとなの避難基準値と同じ年間20ミリシーベルトと規定し、各界の激しい反発を買った後、年間1ミリシーベルト以下に管理すると事実上修正した。
福島県県庁所在地の福島市は代表的なホットスポットだ。原子力発電所から60km離れた人口29万人のこの都市では、16日 時間当り1.32マイクロシーベルトの放射線が計測された。年間に換算すれば10ミリシーベルトを越える。公園の草むらでは場所により6マイクロシーベルトが出た所もある。
<朝日新聞>は「体内放射能汚染検査を受ける人が毎日列をつくっている」と伝えた。市民の不安が大きくなるや福島市は幼稚園生と小・中学生全員に線量計を配ることにし、市内放射線測定場所を100個所余りから1045ヶ所に大幅に増やした。市民は子供たちが公園などでむやみに遊ばないようにしている。子供たちだけ外地へ被難させている人もかなりの数になる。人口34万人の郡山市も放射線量が時間当り1マイクロシーベルトを大きく上回っている。
千葉県北西部地域も周辺に比べ放射能数値がとても高い。6月初めに文部省が集計した結果を見れば、柏市の放射線量は時間当り0.49マイクロシーベルトに達する。松戸市(0.34),我孫子市(0.36),流山市(0.32)も非常に高い。この一帯の放射線量が特に高いのは、去る3月15~16日に福島原子力発電所から放出された放射性物質が風に乗って移動し、ちょうど降った雨とともに集中的に落ちたためと専門家たちは説明する。
千葉県に近い東京の東北地域も放射線数値が高い。共産党東京都議会議員団が5月初・中旬に専門家たちと共に測定した結果を見れば、金町浄水場のある葛飾区で時間当り0.3~0.4マイクロシーベルトが計測された。足立区(0.19~0.257)と江東区(0.17)も文部省が新宿で計測した0.06マイクロシーベルトの3~4倍に達している。こういう知らせに住民たちが公園利用を敬遠するなど不安を訴え、該当地方自治体は詳細調査を行った後に対策を用意すると明らかにした。集団避難を免れた人々にも放射能不安はそのようにして一歩ずつ近づいている。
日本政府は放射線量がとても高いホットスポットに対しては世帯単位で避難を支援すると16日明らかにした。しかし避難支援基準は年間累積被爆量20ミリシーベルトで、‘避難区域’と全く同じだ。
東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/483510.html 訳J.S