北朝鮮が派兵の見返りとしてロシアから原子力潜水艦の建造技術を手に入れるという見通しを、米国のインド太平洋司令官が示した。北朝鮮がロシアに大規模な兵力まで派遣し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の大気圏再突入、原子力潜水艦の建造、軍事偵察衛星の発射などに必要な先端技術を見返りとして求めるものとみられている。
サミュエル・パパロ米インド太平洋司令官は19日(現地時間)、ブルッキングス研究所の対談に出席し、「両国関係は危険な取引だ。北朝鮮は(すでに)ミサイルと砲弾を供与し、ロシアはこれをウクライナに直接使用した。5桁の数字に達する兵力も提供した」とし、「その見返りは潜水艦推進技術になるだろう」と述べた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は昨年9月、初の戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄艦」を公開した際、原子力潜水艦の建造計画を改めて表明した。北朝鮮に関連技術がないため、当時多くの専門家は北朝鮮がロシアに技術移転を要請すると予想した。
パパロ司令官は、金正恩委員長が韓国との統一、同族概念を否定した状況についても「このような大きな変化を無視してはならない」と強調した。また、北朝鮮とロシアの協力強化が「すでに危険な状況をさらに複雑にしている」とし、「双方が相手の必要とするものを提供することで、状況をより一層危険にし、同盟国にさらに多くの危険をもたらしている」と述べた。
米国本土を脅かす北朝鮮のICBMについては、まだ大気圏再突入技術を示していないと述べた。パパロ司令官は「北朝鮮が7000キロ以上の最高高度に到達した弾道ミサイルの発射実験を行ったのは周知の事実だ。米国本土全域を射程に収める能力を予告するものだ。これが私たちが2024年に直面した環境であり、軍事的環境だ」とする一方、「(大気圏再突入技術の)力はまだ見ていない。だが、北朝鮮がそのために発射実験を続けていることを見てきた」と述べた。米国を脅かすほどの十分な射程距離は確保したが、弾頭の大気圏再突入技術までは確保していないという意味だ。