モンテネグロ最高裁は、暗号資産テラ:Terra(ルナ:LUNA)暴落の最重要人物であるテラフォームラボのクォン・ドヒョン代表(33)の韓国送還決定を無効にした。
モンテネグロ最高裁は5日、クォン氏を韓国に送還して裁判を受けさせるとした既存の判決を無効とし、事件を原審に差し戻した。現地の日刊紙ビイェスティ(Vijesti)を引用して聯合ニュースが報道した。これにより、判決はポドゴリツァ高等裁判所に破棄差し戻しされ、クォン氏も改めて裁判を受けることになった。
モンテネグロの控訴裁判所は先月20日、クォン氏の韓国送還を決めていた。だが、これに反発したモンテネグロ最高検察庁が翌日、最高裁に対し、クォン氏の韓国送還決定についての適法性を判断し控訴裁判所の決定を変更する判決を下すよう求めた。最高裁は検察の意見を受け入れ、クォン氏の韓国送還を留保して法理の検討に着手。クォン氏を韓国と米国のどちらに送還するか改めて判断させることを5日に決定した。
韓国とは異なり、米国は様々な犯罪の刑を合算する方式をとる。クォン氏が米国に送還されて裁判を受ければ、100年以上の懲役刑が言い渡される可能性があるとの見通しが示されている。そのためクォン氏は韓国への送還を強く望んでいる。クォン氏は昨年3月23日、モンテネグロの首都ポドゴリツァの国際空港で偽造パスポートを用いて出国しようとしたところを逮捕され、1年間にわたって収監生活を送っている。