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ガザ脱出韓国人家族の26日間「我が家も爆撃…缶詰で延命」

登録:2023-11-04 00:12 修正:2023-11-04 06:50
40代の韓国人女性、パレスチナ系の夫、3人の子どもたちが脱出 
ラファからエジプトへ、7年暮らしたガザを脱出
イスラエルとパレスチナの武装党派ハマスの戦争開始から26日経過した2日(現地時間)、劇的に脱出に成功したガザ地区の韓国人夫婦と子どもたちが、エジプトのカイロで聯合ニュースのインタビューに応じている/聯合ニュース

 イスラエルとパレスチナの武装勢力ハマスの戦争開始から26日目の2日(現地時間)、ガザ地区に居住していた韓国人の家族5人がラファ検問所を越えてエジプトに脱出した。彼らは脱出を支援した韓国政府に感謝の意を表しつつ、ガザ地区に残されている人々の安否に対する懸念を示した。

 韓国で生まれ育ったCさん(44)と韓国に帰化したパレスチナ系の夫(43)、10代の娘(18)と息子(15)、生後7カ月の末娘は2日、エジプトのカイロで聯合ニュースの取材に応じ、26日間にわたって砲火の中で過ごした過酷な経験と脱出の状況を語った。

 家族を代表して聯合ニュースのインタビューに応じたCさんは「(外交部)長官、大使、領事、イスラエルとエジプトの大使館、みなさんに助けていただいて無事に脱出できた」と述べつつも、「家族や親戚、義理の両親がまだガザ地区に残っているので心が重く、痛む」と脱出後の心境を明かした。Cさんは「パレスチナの人々がたいへん苦しんでいるので悲しい。うれしいという気持ちもあるが、ニュースや現実で(惨状を)見てきたので複雑だ」と付け加えた。Cさんはガザ地区で7年暮らしたという。

イスラエルとパレスチナの武装党派ハマスの戦争開始から26日たった2日(現地時間)、劇的に脱出に成功したガザ地区の韓国人家族が、エジプトのカイロで聯合ニュースのインタビューに応じている/聯合ニュース

 「周りで爆弾が爆発し続けた。私たちが住んでいた場所の周りにもハマスの警察庁などがあるためか、爆撃は続いた。あちこちから爆発音が聞こえ、家が揺れるので怖かった。自宅のすぐそばでなければ大丈夫だろうと思っていたが、後にイスラエル政府が出て行けと言うものだから、何も言えずに爆撃にやられて死ぬかもしれないという恐怖を感じた」

 7日の戦争勃発後、家族は爆撃の恐怖の中であちこち逃げ回らなければならなかった。Cさんは「イスラエルが(ガザ地区を)攻撃する時は、マンションをまず攻撃する。だからひとまずマンションを出て夫の実家に避難した」、「夫の実家で3~4日ほど過ごしたが、イスラエルはその地域を攻撃する、南に避難しろと言った。それで(ガザ地区)南部のハンユニスに移動した」と説明した。ガザ地区に残してきた夫の実家の家族は現在のところ、幸い大きな被害は受けていないという。

 ガザ地区南部のハンユニスに避難した後も、彼らの試練は続いた。Cさんは「電気は当然ないので昼にできることは昼間のうちにすべて処理しなければならなかった。ガスも底をついていたので薪を手に入れて食事の支度をし、できる限り火を使わなくても食べられるものを探した。冷蔵庫が使えないので、あらかじめ買っておいた白豆、トマト、トウモロコシの缶詰などで持ちこたえた」と話した。

 家族は脱出を夢見て国境とハンユニスを複数回行き来したという。「外国人に対して開放すると聞いたら、もしかしたらと思って朝から出かけて一日中待って帰ってきたり。国境の開放時間が1、2時間しかないかもしれないので、行かないわけにもいかなかった。そんな感じで国境が通れなければ、またハンユニスに戻るというのを繰り返した。国境とハンユニスの間を5回も行ったり来たりした」

イスラエルとパレスチナの武装党派ハマスの戦争開始から26日たった2日(現地時間)、劇的に脱出に成功したガザ地区の韓国人家族。母親のCさんがエジプトのカイロで聯合ニュースのインタビューに応じている/聯合ニュース

 ガソリンが手に入らないため、脱出の過程も順調ではなかったという。Cさんは「最初は少しあったが、後にガソリンもなくなったので、できるだけ節約に努めた。金を払うと言っても買えない状況だった」、「ガソリンスタンドでは救急車や緊急車両以外にはガソリンを供給できないと言われた。夫が知人に頼んで少し分けてもらって使った。脱出する時、国境まで来るのに残りの燃料をぜんぶ使った。国境に到着した時には燃料が底をついていた」と話した。

 Cさんは「自宅も爆撃されてすっかり崩れ落ちたと知人から聞いた。行き場がない。義姉たちの家もみな空爆されたという。完全に破壊された家もあれば一部だけの家もある。ほぼすべての家が爆撃されたと考えてよい」と付け加えた。

 「持ち出せたのは冬服が入っているカバンだけ。何も持たずに逃げてきた。これからどうすればよいのか」

 Cさんは「エジプトは韓国でもないし夫の国でもないから、ひとまず韓国に行くことを計画している。そこで未来を改めて考えようと思っているが、(飛行機のチケットを買う)お金もないから、どうやって行けばよいのかも分からない」、「今後どう過ごせばよいのか分からない」と、今後が見通せないと語った。

 Cさんは「助かったことは助かったが、これからどう過ごせばよいか分からない。夫は韓国での事業をすべてこちらに移してしまっている」、「韓国に帰ったらどうすればよいのか先が見えない。夫の事業は戦争のせいでだめになり、家も破壊された状況で、戦争はいつ終わるかも分からない。パレスチナは復興するお金もない国だ」と述べた。

 それでも家族は希望を捨てていない。苦しい時間だったが「7カ月の末娘が希望だった」とCさんは話した。Cさんは「苦労して得た娘だが、いなかったら途方に暮れていただろう。泣いたり笑ったりする娘を見ていて希望を見出したように思う。笑うことがなかったのに、娘が笑ったら一緒に笑ったりした」と語った。

 ガザ地区に居住する韓国人であることを明かし、ユーチューバーとして活動してきたCさんの長女は、聯合ニュースに「家族がまだガザ地区に残っており、まだ終わっていないからよかったとは言えない。ユーチューバーの活動は続けるつもり。戦争の話を多く扱う考え」だと述べた。

 ガザ地区の住民たちは、イスラエルとハマスの戦争をどう見つめているのだろうか。Cさんの夫は聯合ニュースに「誰が戦争を喜ぶのか。誰もが嫌がっている。植民地主義は終わらなければならない。そのために戦争が起こるのだ」と語った。

 一方、外交部は3日、イスラエルにとどまっていた韓国人とその家族ら16人(韓国人15人と韓国人の外国籍の家族1人)が日本の自衛隊の輸送機で2日午後4時47分ごろ(現地時間)にテルアビブを出発したと発表した。駐日本韓国大使館は、日本に到着する韓国国民の韓国入国など、必要な領事の助力を提供する予定だ。

イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1114816.html韓国語原文入力:2023-11-03 10:35
訳D.K

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