欧州連合(EU)がロシア産エネルギーへの依存度を減らすため、西アフリカ諸国を通じたエネルギー輸入の多角化を図っている。EUはロシア産天然ガスへの依存度を今年3分の2まで減らす案を今月中に採択することにした。
3日、ブルームバーグ通信は、EUが西アフリカ3カ国との協力を通じて、ロシア産天然ガスへの依存度を年内に3分の2まで減らす予定だと報じた。同通信が入手したEU文書の草案には、西アフリカのナイジェリアやセネガル、アンゴラが欧州に液化天然ガス(LNG)を供給する新しい資源国になりうるという内容が含まれている。また、新しい供給先を探してLNG輸入を500億立方メートル増やし、ロシア以外の国からパイプラインを通じたガス輸入を100億立方メートル増やす案も盛り込まれている。EUのロシア産天然ガスへの依存度は昨年基準で約40%であり、ロシア産天然ガスはほとんどパイプラインを通じて入ってくる。EUは今夏までにエジプトやイスラエルと欧州に対するLNGの輸出を保障する3者了解覚書(MOU)を結ぶ予定だ。欧州委員会はこのような内容の案を今月中に採択する予定だ。
また、今回の案には気候変動に対応し化石燃料の消費を減らすために推進中の「欧州グリーンディール」戦略の達成を強調する内容も含まれている。これを受け、ロシア産の代りに2030年までにクリーンな水素1千万トンを輸入する内容も盛り込まれた。
EU執行部は米国やオーストラリア、カタールなど主要生産国、そして中国や日本、韓国など主要消費国が「開かれており、柔軟かつ流動的で、うまく作動する世界のLNG市場」を保障するために努力しなければならないと強調した。
個別加盟国レベルでも輸入先の多角化の努力に力を入れる動きが活発になっている。先月、イタリアのマリオ・ドラギ首相はコンゴ民主共和国とアンゴラを訪問し、資源協力の強化に合意した。しかし、EUは、加盟国が天然ガス確保のために互いに競争するより、EUの窓口に一本化して交渉すべきだと指摘した。