新型コロナウイルス感染拡大で苦しんでいるインドで、真菌感染症まで拡散している。
インドの首都ニューデリーにある病院の全インド医学研究所(AIIMS)の神経学科班長であるパドマ・スリバスタバ教授は「(当病院で)毎日20人以上の黒い真菌による感染症患者が発生している」とし、この患者らの治療のための別途病棟まで設ける方針を示したと、インドのANI通信が19日に報じた。スリバスタバ教授が言及した感染症は「ムコール症」を指す。ムコール(ケカビ)は「黒い真菌」とも呼ばれる。英BBCは、土壌や植物、肥料、腐敗した果物や野菜から真菌に露出されて発生し、がん患者やエイズ患者のように深刻な免疫損傷を受けた人、または糖尿患者には命に危険が及ぼされるほど致命的だと伝えた。
スリバスタバ教授は「ムコール症が2カ月前から報告され始め、グジャラート州とマハーラーシュトラ州では1800件以上が報告されている。デリーでもかなりの事例が報告され、大半はステロイド剤を多く服用したり、糖尿病があるケースだった」と話した。
スリバスタバ教授は、ムコール症拡散が「新型コロナ感染によるものという可能性がある」と述べた。インド医学界では新型コロナの治療のために使われるステロイド剤が免疫力を低下させ、ムコール症感染拡散を引き起こす可能性があると推定している。ムンバイの眼科医のアクシャイ・ナイル氏は「我々の体が新型コロナと戦うのを助けるために投与したステロイド剤が、火に注いだ油のように作用する」と述べたと、最近BBCは伝えた。
ムコール症は抗カビ静脈注射で治療できるが、発見が遅れた場合には外科手術が必要だ。スリバスタバ教授は、糖尿病患者が新型コロナに感染した場合、糖の調節を厳しくし、ステロイド剤を合理的水準で使用しなければならないと述べた。
インドでは18日にも1日26万人以上の新型コロナ感染者が報告され、1日の死亡者も4000人以上出るなど、新型コロナ感染の拡散が深刻な状況だ。