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ベルリン少女像前で女性デーに初集会「女性の人権の普遍的象徴」

登録:2021-03-08 03:01 修正:2021-03-08 10:08
昨年、ドイツの公共の場所に初めて設置 
日本の圧力による撤去危機を乗り越え、女性デー集会 
家庭内暴力、少数民族の人権問題など提起 
「少女像はこれ以上沈黙してはいけないと言っている」
6日、ドイツ・ベルリン市ミッテ区にある「平和の少女像」前で、市民が「国際女性デー」記念集会を行っている=ハン・ジュヨン通信員//ハンギョレ新聞社
国際女性デー//ハンギョレ新聞社

 「今日は歴史的に意義深い日だ。ベルリンの人々、特にここモアビットにいる方々とともに『平和の少女像』の前で初めて国際女性デーを記念するからだ」

 「国際女性デー」の2日前の6日午後1時30分ごろ、ドイツ・ベルリン市ミッテ区のモアビット地区に位置するベルリン平和の少女像前で、コリア協議会のハン・ジョンファ代表が力強く語った。ベルリンの「平和の少女像」前で「国際女性デー」記念集会が開かれるまでには、様々な山があった。ベルリン平和の少女像は昨年秋、ドイツの公共の場所としては初めて建てられたが、その後、日本政府が全方位的な撤去圧力を加えた。ミッテ区も一時、撤去命令を下した。しかし独韓団体「コリア協議会」とドイツ市民が法廷闘争まで繰り広げ、昨年末に存置決定を引き出した。最近でもドイツ自由民主党(FDP)所属の3人の区議会議員が「戦時性暴力を象徴する美術作品の公募展を再び開き、(平和の少女像の代わりに)一般的な戦時性暴力問題を扱う作品を建てよう」と提案するなど、撤去を図る動きが続いている。

 この日の集会は、平和の少女像設置に力を注いだコリア協議会とドイツの女性団体「クラージュ」が共催した。ベルリンの市民団体の会員や現地の韓国人など200人あまりが集まり、参加者たちは「私たちが平和の少女像だ」と書かれた横断幕を掲げた。

 この日の集会では、日本軍慰安婦被害だけでなく、「DV(家庭内暴力)反対」から、妊娠中絶、少数民族の人権問題まで、女性と人権に関する様々な声があがった。インド東南部やスリランカ北東部などに多くの人口が居住する少数民族タミル人の団体は「国際法的真相究明なくして、タミル人の自由と平和はない」と叫んだ。国連は、シンハラ人が多数を占めるスリランカで1983年から2009年まで続いた政府軍とタミル人反乱軍との内戦で、8万~10万人が犠牲になったと推定している。内戦の過程でタミル人民間人の虐殺のような戦争犯罪疑惑も提起されている。

 ハン・ジョンファ代表は「平和の少女像は性奴隷を強要された女性を象徴している。平和の少女像は、公に自分をさらけ出し家父長制に挑戦状を突きつけた女性たちに関する物語だ」「平和の少女像はベルリンに存置されねばならない」と声を強めた。また「性暴力反対、女性の人権、世界平和を普遍的に象徴する平和の少女像は、ドイツの歴史でもある」と述べた。韓民族欧州連帯のチェ・ヨンスク代表は「平和の少女像は、戦争暴力の犠牲となったあらゆる女性を記憶している。平和の少女像は、私たちにこれ以上沈黙してはいけないと言っている」と述べた。

 デモに参加したチョン・スニョンさんは「地域社会で長い間活動してきた方々が多く参加したと聞いている。突然寒くなったにもかかわらず、新型コロナウイルス防疫守則を守りながら最後まで参加していたことに驚いた」と感想を述べた。デモに参加したタミル人学生ミトゥシャ・センティルクァラさん(16)は「国際女性デーを迎え、女性の人権に注目すべき時に、このように少女像の前でデモすることは意義深いと思う」と話した。

6日、ドイツ・ベルリン市ミッテ区にある「平和の少女像」前で開かれた「国際女性デー」記念集会で、市民が「私たちが平和の少女像だ」と記された横断幕を掲げて立っている=ハン・ジュヨン通信員//ハンギョレ新聞社
ベルリン/ハン・ジュヨン通信員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/985744.html韓国語原文入力:2021-03-07 16:01
訳D.K

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