日本の船舶が座礁し重油流出被害を被っているインド洋の島国モーリシャスの当局が「最悪の状況に備えている」と話した。
「アルジャジーラ」、「ガーディアン」などの報道によれば、モーリシャスのプラビン・ジャグナット首相は10日にテレビ中継された談話で、座礁した船の船体の「亀裂が大きくなった。状況がはるかに悪化した」として「船体が真っ二つになる危険は依然としてある」と憂慮した。ジュグノート首相は、小さな島国に迫った生態・経済的被害を防ぐために国際社会の緊急な支援が必要と明らかにした。
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「だんだん亀裂が大きくなっている」…国際社会の協力が必要
日本のバルク船わかしお号(MV Wakashio)がモーリシャスの海岸で座礁し、現在までに1千トンの油が海に流出し、さらに2500トン程度の油が残っているという。船体が半分に折れた場合、この燃料がすべて海に流出することになる。高い波がわかしお号に打ちつけ、時間との戦いになっている。
わかしお号は、中国からシンガポールを経てブラジルに行く途中、先月25日にモーリシャスの南東側珊瑚礁の海で座礁した。座礁直後には油の流出はなかったが、6日から船尾にある燃料タンク1個が損傷し油が流出し始めた。
すでに流出した1千トン以上の油は、モーリシャスの東部海岸に押し寄せて珊瑚礁と環礁湖保護地区などを汚染している。モーリシャスからの支援要請で、近隣の仏領レユニオン島に専門家たちが合流し、追加流出による海岸線汚染を防ぐため防護柵を設置している。フランスは海軍の艦艇、軍用機、技術的諮問団も派遣した。現在数千人のボランティアメンバーが全身油まみれで流出した重油の食い止めに努めているものの力不足だ。
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「なぜもっと早く措置しなかったのか」…憤る住民たち
島の住民たちは、先月25日に船が座礁した時に災難を避けるための措置を取らなかったことに対して疑問を提起した。タクシー運転手のペジャル・ヌルドーリさんは「すべての地域社会が衝撃を受けた」として「政府は数日にわたり何もしなかった。今になってしようとしているが、あまりに遅すぎた。頭にくる」と「ガーディアン」に話した。小さなボート旅行会社を営むジョージエ・タルテンさんは「私たちが運行するすべての地域が影響を受けた。新型コロナ事態で数カ月間良くなかったが、それ以上にはるかに悪くなるだろう」と話した。
日本とフランスが防災作業を主導しているものの、環境活動家たちはこれらの作業だけでは充分でなく、全面的な国際協力が必要だと求めた。グリーンピース・アフリカのハッピー・カンブル氏は「モーリシャス海岸の数千種の生物が危機に瀕しており、モーリシャスの経済、食糧安保も深刻な危機をむかえた」として「国連と国際社会が防除作業を支援することを願う」と話した。
モーリシャス(2040平方キロメートル)は、済州島(チェジュド)より若干大きい島で、東アフリカのマダガスカル島の近隣に位置する。美しい海と天恵の自然環境で、世界的なリゾートとして脚光を浴びている。韓国から新婚夫婦も多く訪れる。住民130万人のうちインド系が90万人に達するが、それは英国の植民支配の影響だ。中国系移民者も3万人以上いる。アフリカ国家としては珍しく民主的政府ができており、「エコノミスト」の「民主主義指数2017」調査では、韓国(20位)より高い16位を記録した。1人当りの国内総生産(GDP)は2018年基準で1万1千ドルで、主な産業は漁業と観光業だ。