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拉致・性売買・・・インド子供6人に1人ずつ消える

原文入力:2012/09/24 19:42 修正:2012/09/24 21:44(1357字)

←「青くなった全身・・」インドヒンズー教の神ガネーシュ・チャトゥルティーの誕生を祝う祭りが開かれた23日、北部アラーハーバードのガンジス河で、ある少年が顔にシバ神のように青い塗料を塗ったまま、象頭身像のそばに立っている。毎年開かれるこの祭りの毎に、数百万名のヒンドゥ教徒たちがカネーシュ神の像を海と川に浸す。アラーハーバード/APニューシース

親と公務員まで人身売買加担
ワシントンポスト「11歳少年生き地獄脱出」報道
14歳未満雇用禁止法通過不透明

人口12億人の国インドでは、6分に1人ずつ子供が消える。1年なら9万人、そのように親の胸から離れた子供たちは、農場または工場、時には性売買業店に行く。インドの児童救済財団「バチョパン・バチャオ・アンドラン」(Bachpan Bachao Andolan:BBA)の保守的な推定値だ。

アメリカ「ワシントンポスト」は23日、2年前に家近くで誘拐されたイルパン(11)の事情を伝えた。少年はバイクに乗った2人の男性に拉致された後、デリー北西方の320km離れたムルランプル郊外のバッファロー農場に行かされた。そこでバッファローを洗い、食べさせ、糞も片付けた。イルパンは「1日1回食べて、残った食べ物を受け受け取り、騒ぎ立てたら、人々が手足を一晩中縛っていた」と生き地獄を回想した。

数ヶ月前、少年は命がけで脱出を敢行した。監獄と同様の物置の隣の部屋の窓を壊して逃走したのだ。やっと保護所に到着したイルパンは「失踪子供探し」テレビショーで、自分とお父さんの写真を見つけた。そして記憶の中に残っている「デリー・ナングロイ」という住所を基に故郷へ向かった。高架道路と地下鉄が入り組んだ町内は、記憶の中の故郷とは別世界だったが、友達に出会えた幸運で家に帰ることができた。父親のイクバル・アリは、「息子が消えた後、政治家、警察、そして (子供を捜してくれるという) 魔術師に会うために、経営していた菓子店の門を閉めた」と通恨の涙を流した。

インドでの子供の人身売買は、数年前においても、政府の無関心で放置されていた。児童労働は犯罪との自覚もなかった。そして、2006年のニューデリー郊外のある事業家の家で少女17人の骨が発見され、認識の転換に動いた。この事件に対するメディアの集中的な報道をきっかけに、子供の拉致と強制労動は国家的問題となった。

国際労働機構(ILO)は、全世界で少なくとも550万人の子供たちが強制労動に従事させられていると見ている。しかしインド政府は、自国のみで500万~1200万名の子供たちが労動を強要されていると推算している。問題の深刻性が明らかになると、インド政府は14歳未満の児童の雇用を全面禁止する法案を出した。現在、議会の承認を待っているが、見通しは明るくない。法施行までに障害が多く、親が子供を売ったり、現場の公務員が人身売買に加わっているという疑惑もあるからだ。

過去3年間、検察が捜査を開始した子供拉致事件は、2万5000件に過ぎない。強制労動の疑いをかけられた雇用主も3394人だけだ。

チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/553140.html 訳 M.S