原文入力:2012/07/19 19:18(1697字)
五日目に入り込んだシリア、ダマスカス交戦
弟が導く部隊‘4軍団’等
"どこまでも追いかけて報復" 宣言
"政府軍戦車 住宅街を駆け回り
動くものは全て撃っている"
シリアの独裁者パシャル アサド(47)大統領は今恐慌状態に陥っているに違いない。 だが、それはさらに‘危険な’兆しでありうる。 隅っこに追い詰められた独裁政権の復讐に対する恐怖感が首都ダマスカスを覆っている。
去る18日(現地時間)首都ダマスカスの心臓部であるラウダ地区内の国家安保局の建物で炸裂した爆弾テロで最側近の腹心3人を奪われた以後、一日が過ぎてアサドはもちろん彼の家族も誰も姿を見せていない。 <ロサンゼルス タイムズ>などは大統領専用機がこの日、地中海の港町ラタキアに行ったという伝言が出回り負傷したアサドがここに運ばれ、夫人のアスマはロシアから脱出したという未確認主張が出ていると伝えた。
英国<インディペンデント>の中東特派員であるロバート フィスクは19日「シリアでもボスニアやクロアチアなど旧ユーゴ連邦共和国で起きたような大規模虐殺と報復が発生するのではないかと憂慮される」と指摘した。 彼がこのような分析を出したのはシリアの独特の宗教分布のためだ。 現在、シリアを統治しているアサド一家のアラウィー派(シーア派の少数派)はシリアの「全人口の12%に過ぎない。 彼らは去る半世紀の間‘アラブ民族主義’を前面に掲げ多数(74%)を占めるスンニ派を相手に鉄拳統治を日常的に行ってきたし、必要な時は大規模虐殺もはばからなかった。
アサドの父親ハフェズ(1930~2000)は1982年2月、中部の都市カハマでスンニ派の反政府蜂起が起きると住民2万~4万人を殺戮した‘ハマ大虐殺’を犯し、その息子アサドも去る16ヶ月間に何と1万7000人を殺した。 反乱軍と政府軍の間の憎しみのゴールはすでに深くなるだけ深くなっており、エジプトと肩を並べる中東の強国というシリア人の自尊心はどん底まで墜落した。 フィスクは「ハフェズが晩年にはシリアで旧ユーゴ連邦と同じおぞましい葛藤が起きるのではないかと心配した」と指摘した。
彼の予言は不幸にも少しずつ的中していく雰囲気だ。 テロ発生直後、シリア軍は 「テロリストらと犯罪者をどこまでも追いかけて行き報復する」と宣言した。 アサドの弟であるマヘッドが率いるシリア最精鋭軍である第4軍団と共和国守備隊がすでに反乱軍を相手に大々的な報復攻撃に出たと伝えられている。 ダマスカスに住むある住民は19日<NHK>放送との電話インタビューで 「政府軍の戦車が住宅街を駆け回りすべての動くものを撃っている」と話した。 一部言論はアラウィー派の民兵隊であるシャビハがすでにダマスカス周辺に移動したという便りがあると伝えている。 シャビハは去る5月末、中部の都市ホムスの北側にあるフラの村で子供49人を含む108人の民間人を集団虐殺して全世界的に悪名を駆せた武装集団だ。 ダマスカス南部のハジャル アスワドの難民村に留まっているある市民は<ファイナンシャルタイムズ>に 「シャビハはすべての所にいる。 彼らが皆を殺そうとしている」と話した。
現在、国際社会はシリアに積極的に介入することが難しく、反乱軍も政府軍を追い出す実力を持ってはいないためにシリア事態は長期化する可能性が大きい。 スンニ派住民たちは自ら武装したり虐殺を避けて国境を目指して集まってきている。 国連の先月の資料を見れば、虐殺を避けて国境を越えたシリア人の数はヨルダン3万5000人、レバノン2万7700人、トルコ5万2000人、イラク5400人などすでに10万人を越えたことが確認されている。
キル・ユンヒョン記者 charisma@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/543365.html 訳J.S