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大統領選挙 目前 司法クーデター…エジプト 革命以前に?

https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/537991.html

原文入力:2012/06/15 21:38(1643字)

憲法裁判所‘総選挙違憲’決定 意味と展望

独裁時期に任命された裁判官ら
投票無効化…‘議会解散’命令
シャフィク‘大統領選候補資格’認定も
軍 権力委譲 不透明…市民反発

革命は必ず反動を伴うのか。
17日(現地時間)大統領選挙決選投票を控えているエジプトで憲法裁判所が総選挙違憲決定を下しエジプトの時計はややもすると昨年2月の市民革命以前に戻る危機に置かれた。

 14日発表された憲法裁判所決定の根拠は今年初めに行われた総選挙で下院議席の3分の1が無所属候補らに割り当てられたにもかかわらず各政党が所属候補を当選させ、無所属候補らの被選挙権を侵害したということだ。 憲法裁判所はまた、昨年エジプト革命で追放されたホスニ・ムバラク(84)独裁政権に参加した人物の公職出馬を禁止した政治排除法に対しても違憲判決を下した。 政治排除法は去る4月、現議会で通過したがエジプト選挙管理委員会が違憲訴訟を起こしていた。

 今回の判決はエジプト最大の政治勢力であるムスリム兄弟団をはじめとしてイスラム主義勢力が席巻した現議会の法的根拠を無効にして事実上解散を命令したものだ。 また、ムバラク政権の最後の総理を歴任したアフマド シャフィク(71)の大統領候補資格を認めたものだ。 それだけでなく判決一日前も13日、エジプト上下両院が現議員100人で構成した制憲議会も一瞬にして蒸発してしまった。 ムバラク政権時期に任命された憲法裁判所判事が大統領選挙決選投票をわずか3日後に控えてメガトン級爆弾をさく烈させたわけだ。

 17日の大統領選挙決選投票はムスリム兄弟団のムハンマド ムルシ(61)候補とシャフィク候補の両者対決で行われる予定だ。 1952年ナセル革命以後、60年にわたった軍部統治が民間権力に委譲されエジプト革命が結実した歴史的事件だ。しかし今回の憲法裁判所判決により大統領選挙が順調に行われるかさえ不透明になった。 エジプト野党圏と専門家集団からは‘司法クーデター’という嘆きが相次いだ。 エジプト アインシャムス大の法学者であるホサム理事は現地日刊<マスリ アリュム>に「今回の判決は最高軍事委員会に立法権を付与し、(議会を解散した後)新たに総選挙も執り行えとの意」と指摘した。 彼は「(昨年採択された)憲法宣言によれば議会総選挙が大統領選挙に先行しなければならない」として、大統領選挙決選投票が延期されなければならないという意見を出した。

 カイロ対政治学科のサイプ アプトゥルパタフ教授は「今回の大統領選挙はシャフィク候補に権力を握らせるだろう」 とし 「これは憲法の仮面をかぶったクーデターであり革命に対する離反」と一喝した。 エジプト野党はいっせいに「大統領選挙決選投票は最高軍事委を合法化する‘ショー’に過ぎない」とし、ムルシ候補の大統領選挙放棄を要求した。

 最高軍事委はエジプト革命以後に超憲法的過渡政府の役割をしているが、今回の大統領選挙後に民間に権力を委譲すると約束していた。 エジプト軍部は大統領選挙決選でシャフィクの当選を望む表情だ。 しかしムスリム兄弟団のムルシ候補が当選する場合、軍部が権力委譲を遅らせることもありうると<AP>通信は見通した。

 ひとまずムスリム兄弟団は「私たちは裁判所のすべての判決を尊重する」として大統領選挙決選に参加すると明確にした。 シャフィク候補も「憲法裁判所の判決は新しい時代の開始」と歓迎した。しかしエジプト市民は憲法裁判所の判決に抗議して15日に2日連続で首都カイロのタフリール広場で怒りのデモを行っている。

チョ・イルジュン記者 iljun@hani.co.kr

原文: 訳J.S