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[福島 終わらない災難] ③ 永久未解決、核廃棄物 日本 核廃棄物貯蔵庫 7年半で満杯…"トイレのない家を建てた"

原文入力:2012/03/08 23:39(2562字)

 日本、本州の北東端、斧の形をした下北半島には一年を通して風が強く吹き、冬には雪も多く降る。 第2次世界大戦が終わった後、未開拓地に来た人々がこちらに根をおろし、貝の養殖をしたり乳牛を育てて暮らしている。 霊験あらたかな山として有名な恐山の寺には全国から観光客が多数訪れる。

"昨年は観光客が急に途切れました。"

 36年間こちらでタクシー運転手をしてきたというイシダ カツマサは 「昨年が最も苦しかった」と話した。 3・11大地震と福島原発事故はここまで大きな影響を及ぼした。

 去る2月27日、タクシーが記者を下ろしたところは半島のまん中のくびれた部分にある むつ市の東側海岸。 工事現場の垣根の向こう側では掘削機1台が1mを超えて積もった雪を押し出していた。 東京電力が80%を出資した‘リサイクル燃料保存株式会社’の使用済み核燃料中間保存施設工事現場だ。 福島事故以後、日本のすべての核施設工事は中断されたが、こちらは3月中に最も早く工事を再開する。 東京電力の尻に火がついたためだ。

←去る2月28日、日本、青森県、六ヶ所村再処理工場広報センターより眺めた工場煙突から水蒸気がたなびいている。工場周辺には計77基の風力発電機が設置されている。

 使用済み核燃料は100万kW級原子炉1基を1年間稼動すれば30tほどが出てくる。 それこそ放射能の塊りだ。 日本の電力会社はこれを原子力発電所内に保管しているが、余裕空間が全くなくなっている。 東京電力の場合、2010年9月現在で、3ヶ所の原子力発電所に5160tの使用済み核燃料を保管している。 保存空間の余裕は1210tでかろうじて3年半分だ。 そうした中で福島第1原子力発電所で事故が起き、使用済み核燃料を移す空間が急に必要になった。 東京電力はむつ市に3000tを保存できる建物を先に作り、追加で2000t規模の施設を作る予定だ。 使用期間は50年だ。

 スーパーマーケットを営むモトキ ボトク氏は「原子力発電所ではないから大丈夫じゃないんですか?」と今は仕方ないと言う風に話した。 その一方で彼は「六ヶ所村再処理工場や(プルトニウム燃料を使う予定の)大間原子力発電所はちょっと心配だ」と言葉を濁した。 二ヶ所ともむつ市から40kmしか離れていない場所にある。

 日本の電力会社の中で使用済み核燃料の中間保存施設を作っている所は東京電力(日本原子力発電が20%を投資)だけだ。 9ヶの電力会社全体として見れば、2010年9月現在で原子力発電所に1万3530tを保管していて、7年半の余裕しかない。 急いで保存施設を確保できなければこれ以上原子力発電所を稼動することもできない状況だ。東京電力は運が良かった。 財政事情が悪く冬になれば除雪作業さえまともにできないむつ市が2005年にこの施設を作ることを許諾した。 むつ市はその代価として60年間にわたり計1000億円(約1兆4000億ウォン)を受け取ることになる。 他の電力会社らは‘再処理工場’に一縷の期待をかけている。

9ヶの電力会社の中で東京電力だけが追加保存施設 建設中
一縷の期待 再処理工場、18回も竣工延期
稼動すれば汚染憂慮… "廃水濃度 原発の2700倍"

 2月28日午前、六ヶ所村使用済み核燃料再処理工場広報(PR)センター入口のガラスドアには1992年に開業したこちらに‘来館客200万人突破’を知らせる文書が貼られていた。こちらでは再処理工場とウラニウム濃縮施設など六ヶ所村の核施設を全て見ることができる。 広報館まで建ててこのように安全性を広報するのは、それだけ多くの憂慮を買っていることを傍証する。 案内員は「修学旅行客など月平均9万人が寄って行く」と説明した。

 電力業界が共同出資した会社である日本原燃の再処理工場は使用済み核燃料からプルトニウムとウラニウムを抽出してリサイクルし、高濃度廃液をガラスと合わせて固体の塊りにする所だ。 抽出したプルトニウムを核燃料として再び使い高水準核廃棄物の量は減らすということが目標だ。 しかし思い通りになってはいない。 1993年に着工し当初2005年に竣工する予定だった工場は、その間各種の事故で18回も竣工が延期された。 今年初めにも溶融炉を稼動して再び事故が起きた。 建設費も当初予想額の3倍に増えた。 反原発調査研究機関である原子力資料情報室の澤井正子氏は「再処理は中世の錬金術みたいな話」だと指摘する。

 工場の稼動に成功してもその過程で汚染拡散、事故危険を心配する声も絶えない。 再処理工場は本格稼動を始めれば年間18,000兆(テラ)ベクレルの液体トリチウム(三重水素)をはじめとして多くの放射能物質を海と大気に放出する。‘三陸の海を放射能から守る岩手の会’の永田文夫幹事は「試験運転中の2007年だけで75回にわたり原子力発電所廃水の平均濃度の560倍にもなるトリチウムを含有した廃水が工場から流れ出た」として「本格操業を始めれば廃水濃度が2700倍に高まる」と話した。さらに心配なのはプルトニウムなどを抽出してセシウムなど放射性物質だけが残った廃液の流出事故だ。永田氏は「2006年3月から約2年半ほど試験稼動した六ヶ所村工場にすでに240立方Mの廃液が貯まっている」として「その中に入っているセシウムの量だけでも福島原発事故で流出した量の57倍に達する」と憂慮した。

 ‘死の灰’を抱いた核廃棄物を片づける所がなく、それを再処理するという計画はより大きな危険を抱いているという日本の原子力発電所産業の現実に対して、日本の市民運動家は「トイレのことを考えずに家を建てた」と指摘する。‘親環境’で包装された核発電の恐ろしい後ろ姿だ。 六ヶ所村・むつ市(青森県)/文・写真 チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/522704.html 訳J.S