本文に移動

腐敗役人を追い出した住民たち "直接選挙で新しい歴史を書こう"

https://www.hani.co.kr/arti/international/china/520805.html

原文入力:2012/02/26 22:26(2105字)

村委員会 選挙 熱気ほかほか
党幹部ら、土地こっそり売却
農民ぼ怒りが変化の火種に

[ルポ] 中国ウカン村を行く

 胡錦涛から習近平へ、今秋10年ぶりの権力交替を控えた中国社会の底辺では変化の声が噴出し、経済・社会的難題の解決法を巡る路線競争が激しい。 中国農村の民主実験を象徴する広東省ウカン村などを直接訪ね中国モデルの新しい道を見通す。

 "ウカンに春がやって来た。 1人1票 選挙の日が喜びと共に近づく"  "直接選挙で民主権利を十分に行使しよう"

 赤い紙の上に手で書かれた民主という字句が小さな村のあちこちに貼られた。‘中国民主の聖地’に浮上した中国最南端、広東省ルポン市ウカン村、住民たちは来月3日 行政機構である村委員会選挙を控えて選挙手続きを几帳面に準備するのに忙しい。 中国で唯一の民主選挙の熱気だ。

 去る21日に訪ねたウカンには現実を変えているという自負心と情熱があふれていた。 10日前に選出された村代表(基層組織)の1人であるチャンビンチュアン(45)は「かつて村の書記は41年、村委員会主任は37年間も席を占め、形式的な選挙も行わずに村委員会は側近の名前を好き勝手に書いて上級政府に報告してきたが、今は変化がやってきた」と語った。

 ウカン村の1万3000余の住民たちは中国民主の歴史を新しく書いている。 41年間、村の皇帝のように君臨した村書記など党幹部が住民たちの集団所有である土地をこっそり売却し巨額を手にしていた事実を知った住民たちは、昨年9月から示威に乗り出した。 村代表スェジンボが逮捕されて死んだ後には党と公安組織を全て追い出して村を解放区にした。 結局、昨年12月末に広東省のNO.2である副書記が直接村を訪ねてきて民主選挙と土地問題解決要求を受け入れた。 ウカンの‘小さな革命’は中国農民の覚醒と団結、そしてもはや中国政府が強圧的に押さえ込むことはできない臨界点が近づいていることを示した。

 草の根民主は根をおろしているが、ウカンの人々に残されたさらに難しい問題は土地問題だ。 追い出された前党幹部は1990年代初めから不動産開発会社などにこっそりと土地を売り莫大な収益を掠め取っていた。 住民たちの集団所有である2万5000ム(約1600万㎡)の大部分が住民たちが知らされないまま売られた。

 去る30年間、中国の高度成長を導いた産業化と都市化は農民の土地を奪うことによってなされた。広東省政府は土地問題解決のためのタスクフォースを村に派遣したが、まだ解決法は出てこない。

 土地デモを最初に始めた‘ウカン熱血青年団’の一員であるチュァンニェフン(28)は「腐敗した役人たちが村民の土地を盗んで巨額を掠め取った」として「故郷の土地はこっそりと奪われ、外地に出て行きやっとの思いで金を稼いで帰って来ても、村には何の生活基盤もなく、家一軒作ることも難しくなってしまった」と話した。

 農地を失った住民たちの唯一の生計手段は漁業になった。 船を買う金のある人だけが故郷に残り、そうでない人々は外に出て行き工場で仕事をしたり商売をしながら生計を立てた。 みすぼらしい住民たちの家々と村の一画の別荘地帯の豪華住宅は1対99社会になってしまった中国の縮小版だ。 村住民チャンジェンシン(20)は「ウカンの貧富格差は非常に大きい」として「土地売却で巨額を手にした党書記、彼らと近くて特権を受けた人々は不動産開発と海産物流通で大金を儲け、村には豪華別荘地帯もできた」と話した。このような現実に対する怒りが昨年9月から住民6000~7000人が参加した大規模デモで爆発した。 住民たちは47種の姓氏別に候補を出し12人の臨時村代表を選び固く団結した。 生まれて初めてのデモだったが、代表はデモ戦略を立て住民たちは共に旗と横断幕を作り連判状も作成した。 公安数百人が村に入ってきて住民たちを殴打したが、弾圧を受けるほどに住民たちは強くなっていった。

 ウカンが位置するルポン市は中国の共産主義革命史でハイルポン(海陸風)ソビエトで有名なところだ。 1927年中国共産革命最初の農民ソビエトを樹立した農民の後裔が80余年後にウカン蜂起の主役となった。チャイエポン(30)は 「昨年ほど村が団結したことはない」として「土地問題が明らかになった後、村民は私たちが中国で初めてソビエトを建設して革命にも貢献したが、村がこんなザマになったと怒り、より一層一つになった」と話した。

 今、浙江・湖南など中国各地で土地紛糾のために苦痛を受けている農民、民主化を望む人々が‘ウカンに学べ’として村を訪ねてきている。 ウカンで起きた一粒の火種は広野を燃やすのだろうか?

ウカン(広東省)/パク・ミンヒ特派員 minggu@hani.co.kr

原文: 訳J.S