世界最大のファウンドリ(半導体受託生産)企業である台湾のTSMCが、今年第3四半期(7~9月)に過去最高の純利益を上げた。米国エヌビディア(NVIDIA)のAI用チップなどを作るTSMCは、AI投資の好況に支えられ実績好調が続いている。
TSMCは16日(現地時間)、連結財務諸表基準で第3四半期の純利益が4523億台湾ドル(約2兆2千億円)で、昨年第3四半期に比べて39.1%急増したと明らかにした。前期の第2四半期に比べても13.6%増えた。これは市場予測値(4177億台湾ドル)を8.3%上回るもので、史上最高の四半期純利益だ。
第3四半期の売上高は9899億2千万台湾ドル(約4兆8千億円)、同期間の営業利益は5006億9千万台湾ドル(約2兆4千億円)を記録した。これも前年比それぞれ30.3%、38.8%増えた規模だ。
売上の74%は7ナノメートル(nm・1ナノメートルは10億分の1m)以下の先端チップから発生した。ウェンデル・ファン最高財務責任者(CFO)は「第3四半期実績は最先端工程技術に対する強力な需要に後押しされた」として「今年第4四半期にも強力な需要が続くと予想する」と話した。
会社側は今年の年間売上高成長率の見通しも従来の「約30%」から「30%台中盤」に上方修正した。ただ、今年第4四半期(10~12月)の売上高は米ドル基準で322億~334億ドルで、第3四半期(331億ドル)の水準を維持するか、小幅に下回るだろうと予想した。
この日ロイター通信は「TSMCがAI半導体の需要急増に後押しされ市場の予想を超える史上最高の利益を記録した」と報道した。ブルームバーグ通信も「TSMCはAIインフラ投資の最大受恵者の一つ」と述べた。
市場調査会社「カウンターポイントリサーチ」によると、TSMCの今年第2四半期のグローバルファウンドリ市場でのシェアは71%で、2位のサムスン電子(8%)との格差を広げている。