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昨年の北朝鮮の国民総所得、4兆7000億円…韓国の1.7%水準

登録:2025-09-01 19:10 修正:2025-09-02 08:42
2024年北朝鮮経済成長率推定結果 
コロナ以前の水準には回復したが 
国連制裁前の水準には及ばず
朝鮮労働党の金正恩総書記兼国務委員長が、26日に完工した楽原郡の浜辺の養殖事業所と漁村文化住宅地区を視察し「世界で最も美しい入り江の漁村を楽原郡の人民にプレゼントすることになった」と喜びに満ちて述べたと、労働新聞が27日付で報じた/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 昨年の北朝鮮の実質国内総生産(GDP)は前年に比べ3.7%成長したと、韓国銀行が分析結果を発表した。

 韓銀は29日、このような内容を骨子とした「2024年北朝鮮経済成長率推定結果」を発表し、「2021年から始まった北朝鮮の国家経済発展5カ年計画と昨年導入された地方発展20x10政策などをはじめ、ロシアとの経済協力拡大などに支えられ、北朝鮮経済は前年対比3.7%成長した」と明らかにした。これは2016年に北朝鮮のGDPが3.9%成長して以来、最も高い水準だ。昨年、北朝鮮の実質GDPの規模は37兆韓国ウォン(約3兆9000億円)だった。新型コロナウイルス感染症拡散直前の2019年(36兆3000億ウォン)の水準は回復したものの、国際社会の対北朝鮮制裁が本格的な影響を及ぼす前の2017年(37兆7000億ウォン)には及ばなかった。

 産業別に見ると、農林漁業は漁業などが増えたが、畜産業と林業が減り、前年比1.9%減。鉱業は石炭・金属・非金属がすべて増え、8.8%増。製造業は軽工業が減ったが重化学工業が増え、7%増加した。軽工業は飲食料品およびタバコなどを中心に0.7%減少した反面、重化学工業は製鉄所設備投資、ロシア向け武器類輸出などにともなう金属製品生産が拡大し、1次金属製品、組立金属および機械、化学製品などを中心に10.7%増加した。

 電気・ガス・水道事業は降水量が減り水力発電が減少したが、主な火力発電所に対する整備・補強事業などが終わり、全体的には0.9%の増加に転じた。建設業は平壌(ピョンヤン)などで住居用建物の建設を中心に12.3%増えた。非住居用建物が増えたのは、当局が地方発展20x10政策を推進し地方の工業工場を多数建設したためだと韓銀は分析している。

 サービス業は卸小売および飲食・宿泊、運輸および通信などを中心に1.3%増。市場の状況が改善され、外国人観光が再開された影響だった。運輸および通信業は輸出と無線通信加入者数が増えたことで増加した。政府サービスは予算支出などの拡大で1.2%増加した。

 名目国内総生産に占める昨年の北朝鮮の産業別比重を見れば、鉱工業(30.5%)、サービス業(29.8%)、農林漁業(20.9%)の順で高かった。電気・ガス・水道業の比重は前年に比べ5.4%から7.2%に、建設業の比重は11%から11.6%に上昇したが、サービス業(30.9→29.8%)、農林漁業(22→20.9%)、鉱工業(30.7→30.5%)は下落した。

 昨年の北朝鮮の国民総所得(名目GNI)は44兆4000億韓国ウォン(約4兆7000億円)で、前年に比べ8.6%増加した。これは韓国(2593兆8000億ウォン、約274兆円)の58分の1(1.7%)の水準だ。1人当たりのGNIは171万9000ウォン(約18万円)で、前年より8.2%増えた。これは韓国(5012万ウォン)の29分の1(3.4%)の水準だ。

 昨年、北朝鮮の対外貿易規模は27億ドルで、前年(27億7000万ドル)に比べて2.6%減少した。輸出は3億6000万ドルで、人毛製品・かつら、鉱・スラグ・灰(希少金属類)などを中心に10.8%増、輸入は23億4000万ドルで肥料、穀物などを中心に4.4%減少した。

 韓銀経済統計2局の国民所得総括チーム長を務めるパク・チャンヒョン氏は「2024年の北朝鮮の対外貿易規模は、(国連の対北朝鮮)制裁前の2011年から2016年までの年平均68億2000万ドルの約40%水準に過ぎず、新型コロナウイルス直前の2019年32億5000万ドル水準に及ばない状況」だと説明した。北朝鮮の最大貿易国は中国で、貿易規模全体に占める比重は98%に達する。南北間の搬出入実績は前年に続き全くなかった。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1215945.html韓国語原文入力:2025-08-29 12:19
訳J.S

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