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韓国、原発が石炭を抜いて再び最大の発電源に…再生可能エネルギーは初の10%突破

登録:2025-05-12 00:18 修正:2025-05-12 08:09
2024年エネルギー需給動向発表
太陽光などの再生可能エネルギーと原子力が、石炭発電に代わって主要な発電源としての地位につきつつある=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 昨年、原子力発電が石炭発電を抜いて、韓国で最大の発電源となった。太陽光などの新再生可能エネルギーの割合も初めて10%を超えたが、世界的なすう勢に比べるとまだ小さい。

 産業通商資源部が11日に発表した「2024年エネルギー需給動向」によると、昨年の原子力発電の発電量(電力の生産および供給を基準とする)は188.8テラワット時(TWh)で、韓国の総発電量の31.7%を占めた。これまでの最大の発電源だった石炭は28.1%(発電量167.2テラワット時)で、原発に1位の座を譲った。ガス(LNG)発電も夏季および冬季の稼動が増えたため、28.1%(167.2テラワット時)を占めた。石炭発電は2007年に原発を抜き、一昨年まで最大の発電源の座を守ってきた。

■AIの普及などで発電量増加

 エネルギー業界は、昨年の慶尚北道蔚珍(ウルチン)の新ハヌル2号機の商業運転開始と、気候危機への対応のための石炭発電量の減少などが、原発と石炭発電の順位の入れ替わりという結果につながったと判断している。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が推進した新規原発建設(セウル3および4号機、新ハヌル3および4号機)と老朽化した原発の稼動延長の基調の影響で、原発の最大の発電源としての座は当面のあいだ保たれる見通しだ。

 昨年の新再生エネルギーの発電割合は10.6%で、初めて10%を突破した。発電量は63.2テラワット時で一昨年に比べ11.7%増。ただし、全世界の再生可能エネルギー発電の割合は32%(2023年)で、はるかに及ばない。新再生可能エネルギーとは、再生可能な太陽光や風力に、化石燃料で作った水素や燃料電池などの新エネルギー源を合わせた概念。昨年の韓国の総発電量は595.6テラワット時で、前年に比べ1.3%増。人工知能(AI)や電気自動車(EV)の普及や過去最大級の猛暑などに備えるために発電量を増やした結果だ。

 昨年の電気消費量(韓国電力の販売量)は536.6テラワット時で、前年に比べ0.4%増。猛暑などの気候危機やEVの普及などの生活の変化が電力需要を押し上げたと分析される。昨年9月まで続いた過去最大級の猛暑で、建物部門で電気消費量(267.1テラワット時)が2.2%増、EVの拡大などで輸送部門でも消費量(5.5テラワット時)が15.8%増となった。輸送部門のうち、道路部門の消費量が前年に比べて39.2%と大幅に増加したことが特に目立つ。

慶尚北道蔚珍に位置する新ハヌル1および2号機。2023~2024年の両原子炉の商業運転開始後、韓国の発電量に占める原発の割合が上昇した=韓国水力原子力提供//ハンギョレ新聞社

■エネルギー消費が増加…効率は改善傾向

 昨年、韓国国内で消費されたエネルギーの総量は3億940万トン(toe:石油換算トン、以下同じ)で、前年に比べ1.7%の増加。ただし産業通商資源部は「エネルギー消費の効率を示す『エネルギー原単位』は100万ウォン当たり0.133トンで、前年に比べて小幅に改善した」と述べた。

 部門別にみると、石油化学産業と機械類産業でエネルギー消費が増えたことで、産業部門(1億3千万トン)の最終消費は前年に比べ3.5%増となった。建物部門(4千630万トン)、輸送部門(3千490万トン)の最終消費は前年より減ったが、昨年の猛暑の結果、8月と9月の家庭部門での増加が目立つ。

 エネルギー源別に消費量を計算すると、石炭使用量(6800万トン)が産業・発電分野全般で前年より6.2%減った一方、石油、天然ガス、原子力、再生可能エネルギーなどのエネルギー源の消費は増えた。天然ガス消費は液化天然ガス(LNG)発電量の増加により、石油消費は産業部門での燃料用消費の増加により、いずれも増えた。電気消費は夏季の猛暑の影響により、建物部門で前年より増えた。

 産業通商資源部のチョ・インノ・エネルギー政策官は、「AI産業と電気化の速度、炭素削減政策に対応して原発、再生、水素などの『無炭素エネルギー』をバランスよく拡大する計画」だとして、「エネルギー消費効率の改善と節約文化の拡大によって『エネルギー低消費』社会を目指すため、地方自治体と共に方策を講じる」と語った。

オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1196839.html韓国語原文入力:2025-05-11 15:38
訳D.K

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