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韓国、EVバッテリーの輸入急増…対中国貿易収支の回復に障害

登録:2024-02-18 19:06 修正:2024-02-18 21:35
中国の上海/聯合ニュース

 今年、韓国では情報技術(IT)品目を中心に中国向け輸出が回復傾向を示すだろうが、過去のように一方的な黒字基調を維持するのは難しいという見通しが示された。

 18日に韓国貿易協会の国際貿易通商研究院が発表した報告書「最近の中国向け貿易収支赤字の原因診断と評価」によると、今年の中国のIT需要回復(9.3%)はグローバルなIT需要回復(6.8%)より速いと予想された。報告書によると、昨年の韓国の中国への輸出額は前年より310億ドル減少し、半導体、コンピューター、ディスプレイ、無線通信機器、家電の5大IT品目が輸出減少額全体の64%(198億ドル)を占めた。昨年の中国向け輸出は前年比19.9%の減少。報告書では「昨年の対中国輸出の不振の主な原因であるグローバルIT需要が持ち返し、今年は中国向け輸出と貿易収支は改善されるとみられる」と診断された。

 不振だったIT品目の中国向け輸出は回復傾向をみせるが、「電動化」品目の輸入増加と貿易収支悪化は拡大するとの分析が出ている。電動化品目とは、完成電気自動車(EV)やEV用バッテリー、水酸化リチウムなどのバッテリーの重要素材をいう。電動化品目の対中国貿易赤字は、2020年の40億ドルから2021年には78億ドル、昨年は164億ドルと毎年2倍ずつ急増している傾向だ。

 報告書によると、中国の輸入需要の鈍化とともに、韓国製品の競争力低下が中国向け輸出の足かせと指摘された。中国の主な輸入国を対象に分析した結果、韓国の中国への輸出の減少要因は、商品構成の弱化(37.9%)、競争力の弱化(31.9%)、中国の需要減少(30.1%)の順だった。輸出減少の要因のうち、競争力の弱化が占める割合は米国(55.0%)に次いで大きかった。日本は21.7%、台湾は7.1%だった。

 キム・ウジョン研究委員は「最近の電動化品目の輸入増加、中国内の韓国製品シェア下落、主要原料の輸入依存度の高まり、中国の自給率拡大は、今後の対中国貿易収支の黒字転換に障害となるだろう」と指摘した。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1128772.html韓国語原文入力:2024-02-18 17:21
訳J.S

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