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半導体の在庫資産減り、輸出もプラス…サムスン電子・ハイニックスに春到来か=韓国

登録:2023-11-16 08:30 修正:2023-11-16 08:57
次世代DRAMを生産するSKハイニックスの利川工場(M16)=SKハイニックス提供//ハンギョレ新聞社

 メモリー半導体の冬は過ぎ去ったのだろうか。半導体業界の業績悪化で生産量を減らしていたサムスン電子とSKハイニックスの半導体の在庫水準が改善されている。

 15日にサムスン電子とSKハイニックスが公示した今年第3四半期(9月末時点)の四半期報告書によると、ハイニックスの在庫資産は、昨年末に減産を始めてから着実に減っており、サムスン電子の半導体(DS)部門の在庫資産の増加幅も減少したことが確認された。在庫資産は、企業が営業活動の過程で販売する目的で保有する資産で、業況が周期的に変わる代表的な産業である半導体の場合、業況を感知するシグナルともみなせる。

 ハイニックスの今年9月末時点での在庫資産は14兆9479億ウォン(約1兆7000億円)で、半導体景気が冷え込んだ昨年末の15兆6647億ウォン(約1兆8000億円)より4.8%減少した。ハイニックスの在庫資産は、半導体業況が悪化した今年第1四半期に17兆1322億ウォン(約2兆円)まで増えたが、減産した効果が現れ、第2四半期から減り始めた。ハイニックスは昨年10月頃からウェハーの投入量を減らし、減産に入った。

 サムスン電子の半導体部門の今年9月末の在庫資産は、33兆7037億ウォン(約3兆9000億円)と報告された。昨年末の29兆576億ウォン(約3兆4000億円)に比べ13.1%増えたが、今年に入ってから在庫資産の増加率は、第1四半期は9.94%、第2四半期は5.45%、第3四半期は0.12%と減少傾向にある。サムスン電子は4月から減産を公式化した。市場では、サムスン電子はDRAM半導体の30%、NANDフラッシュの40%を来年上半期まで減産すると見通している。

 サムスン電子の関係者は「メモリーの固定取引価格が上昇し、市場需要が大きく伸びなかったことが、在庫資産の減少にまでつながらなかったとみられる。人工知能(AI)産業の拡大によって、収益性の高い次世代半導体(DDR5、HBM、LPDDR5x)の需要が増加しており、在庫と実績の改善に肯定的な影響を及ぼすだろう」と語った。

 先月のメモリー半導体の輸出額が増加傾向に戻ったことも、業況の回復に肯定的なシグナルだ。産業通商資源部が発表した10月のメモリー半導体(DRAM・NANDフラッシュ)の輸出額は45億1000万ドルで、前年比で1%増えた。半導体が好況だった昨年6月以来16カ月ぶりに月輸出額が増加したのだ。輸出額増加はメモリーの固定取引価格の上昇が主な原因とされている。今年7月に1.3ドル台まで落ちたメモリー価格は、減産の影響で先月は1.5ドル水準に上昇した。

 韓国内の半導体業者関係者は「内部的には来年まで半導体の業況はよくないと予想していたが、予想より早くムードが良くなっている」と話した。

オク・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1116494.html韓国語原文入力:2023-11-16 05:00
訳M.S