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テスラ、電気自動車値下げの先頭に…シェア戦争激化

登録:2023-08-15 20:34 修正:2023-08-16 06:54
テスラ、中国内の一部モデルを約28万円値下げ 
ライバル社も小型電気自動車など低価格ラインナップを相次ぎ予定
テスラ中国のホームページより//ハンギョレ新聞社

 世界の完成車メーカーが続々と電気自動車(EV)の価格を引き下げている。EVの成長速度が鈍化する市場状況を反映した戦略だとみられる。中でも特にテスラが値下げの流れの先頭に立っている。小型EVと相対的に価格が安いリチウムリン酸鉄バッテリーを搭載したEVなど、3千万ウォン(約327万円)台のEVが続々と登場している。

 15日、ブルームバーグ通信によると、テスラは最近、中国国内の「モデルY」の上位トリム価格を約1万4千元(約28万円・4%)引き下げた。モデルYの「ロングレンジ」の最低価格は29万9千元(約598万円)、モデルYの「パフォーマンス」は34万9千元(約698万円)だ。テスラは昨年から主要モデルの車両価格を着実に下方修正している。テスラは中型セダン「モデル3」の後輪駆動の在庫車両を来月末までに購入すれば、提携保険会社を通じて補助金も提供することにした。

 テスラのこうした価格政策は、中国内需市場での販売の勢いが低迷している上、モデル3のマイナーチェンジモデルが今年下半期に発売を控えている状況が反映されたとの解釈がある。テスラの中国市場での販売台数は先月3万1423台で、前月より57%減少している。大林大学未来自動車工学部のキム・ピルス教授は「テスラが中国で価格を大幅に下げたことで、中国の一部のEVメーカーが不渡りを出しもした。テスラはEV市場の支配力を維持するために、攻撃的な価格戦略を続ける公算が高い。ライバル完成車メーカーとしては負担になるだろう」と述べた。

 中国内のEV市場シェア1位の比亜迪(BYD)は、価格を7万8千元台(約142万円)まで下げたEVを発売するなど、値下げ競争を通じてEV市場の大衆化とシェア拡大を狙っている。

 相対的にコストの安いリン酸鉄リチウムバッテリーを搭載した小型EVが続々と発売される予定であることも、激しい価格競争を予告する。起亜が今年下半期に発売する小型EVの「レイEV」が一例だ。同社は来年中に小型スポーツ実用車型のEV「EV3」も発売する予定だ。光州グローバルモータースでも来年上半期中に小型EV「キャスパーEV」の試験生産に突入する。

 海外の完成車メーカーも小型EVの発売を予告している。ボルボはすでに小型電気スポーツ実用車「EX30」を公開しており、米ゼネラルモーターズも同じ階級の「エクイノックスEV」の発売を控えている。ドイツのフォルクスワーゲンも2025年発売を目標に「IDコンセプトカー」を最近公開している。価格は決まっていないが、3千万ウォン台で形成されるだろうと市場はみている。韓国国内で販売中のEVのうち最も価格が低い車種(ニロEV)が約4900万ウォン(約534万円)であることを念頭に置くと、1千万ウォン以上低価格のEVが市場に登場するわけだ。

 サムスン証券アナリストのイム・ウニョン氏は「一層激しくなった価格競争で生き残り、自動運転技術まで備えたメーカーは少数にとどまる公算が高い。2~3年以内に世界の自動車市場は寡占体制の様相を呈すると予想される」と指摘した。ある輸入車企業の関係者は「収益性より値下げによる市場シェアの確保に死活をかけた競争が激しくなるだろう」と述べた。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1104410.html韓国語原文入力:2023-08-15 18:24
訳J.S

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