「空港利用料はそのままなのに航空運賃は高騰しているため、産業の回復を脅かしている」
国際空港評議会(ACI)アジア太平洋地域理事会が12日に発表した報道資料のタイトルだ。空港と航空会社は切っても切れない関係なのに、なぜACIは航空会社を批判する報道資料を出したのだろうか。
ACIアジア太平洋地域理事会の資料によると、最近のアジア太平洋の航空運賃を研究した結果を根拠に「空港利用料はパンデミック以降そのままだが、主要航空会社の航空運賃はパンデミック前以上に高騰し、大きな利益を上げている」と明らかにされている。
理事会は、フレア・アビエーション・コンサルティングとともにアジア太平洋地域の上位10市場の約3万6000路線を調査した結果を公開した。調査結果によると、国際線運賃は最大50%上がっている一方、国内線運賃の値上がり率は10%未満だった。
理事会は「航空運賃が最も大幅に引き上げられた市場はインド(40.9%)で、続いてアラブ首長国連邦(33.5%)、シンガポール(29.5%)、オーストラリア(22.6%)」だと明らかにした。資料によると、韓国市場の値上がり率は4.8%で、調査対象10カ国中7番目。韓国より値上がり率が低い国は日本(3.7%)、インドネシア(1.6%)、中国(0.6%)だった。調査は2019年第4四半期の料金と2022年第4四半期の料金を比較するかたちで行われた。
理事会は、2023年第1四半期の交通量は増加したにもかかわらず、インド、インドネシア、サウジアラビア、韓国、日本などの一部の市場の国内線運賃は上昇を続け、国際線運賃は小幅に低下したと指摘した。
理事会も「燃料費が2019年に比べ2022年は76%上昇しており、同期間の消費者物価指数も平均10%上昇していることで、航空会社のコスト負担は増加している」と述べ、航空運賃の値上がりに燃料費と物価の上昇が影響を及ぼしていることは認めている。
しかし理事会は、航空運賃の引き上げは改めて業界に萎縮をもたらす可能性があると警告した。ACIアジア太平洋地域のステファノ・バロンチ事務局長は「過度な航空運賃は航空業界の長期的な回復を脅かすうえ、空の旅の需要を減少させ、関連産業に影響を与えうる」とし、「航空会社には、価格決定が長期的に及ぼす影響を慎重に考慮するよう求める」と述べた。
ACI理事会がこのような資料を発表したのは、空港の運営会社が新型コロナウイルス禍ではもちろん、その後も赤字を記録し続けているためとみられる。理事会は「最近、いくつかの国際航空会社が記録的な収益を上げたことは注目に値する」とし、「空港は乗客の減少と継続的な財政損失にもかかわらず、(コロナ禍の)危機状況において航空会社パートナーを支援するために途方もない努力を傾けてきた」と強調した。