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尹大統領、テスラ工場誘致?業界では「あえて韓国に来る理由は…」

登録:2023-04-30 19:52 修正:2023-05-01 09:18
韓国国内の自動車・バッテリー業界の見方は否定的 
「大きな市場ではないのに、あえて韓国に大規模工場?」 
バッテリー鉱物の多いインドネシアが有力評価
米国を国賓訪問した尹錫悦大統領が26日(現地時間)、ワシントンDCのホワイトハウス近くの迎賓館で、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者と接見している=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 国賓訪問期間中にテスラのイーロン・マスク代表(CEO)に会い、「ギガファクトリー」の韓国投資を再度要請した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「営業」が成功するかに関心が集まっている。尹大統領は昨年11月末、テレビ電話でマスク代表と面談し、同じ要請をしたが、テスラは今年初めに新しい生産基地としてメキシコを指名している。自動車やバッテリーなど韓国国内の関連業界では、テスラが韓国国内にギガファクトリーを建設する可能性は高くないと評価している。

 ハンギョレが28日に関連業界を取材した結果、テスラが韓国に電気自動車(EV)の生産工場であるギガファクトリーを建設する決定を下すのは容易ではなさそうだ。バッテリー業界の関係者は、「韓国に人工知能(AI)関連人材が多いため、自動運転・未来車のテスト研究所や工場を建てることはありえるが、中国・ドイツ・米国など大きな市場があるのに、あえて韓国に大規模工場を建てる可能性はなさそうだ」と述べた。彼は「韓国企業も米国インフレ抑制法(IRA)の条件を満たすために外国に出ている状況」と話した。

 自動車業界の関係者も「テスラの工場が韓国に建設されれば、バッテリーメーカーがたくさんあるのでバッテリーの調達でメリットを得ることができる」としながらも「しかし原材料が豊富なインドネシアなどと競争するためには、韓国がテスラにインセンティブを多く与えなければならない」と述べた。

 これに先立ち、テスラは3月2日の「投資家の日」イベントで、2030年のEV生産量を年間2000万台規模に増やすという計画を発表している。テスラが昨年131万台のEVを引き渡したことを考慮すれば、生産基地の拡充が引き続き必要なのは事実だ。テスラは今年3月、米カリフォルニアとテキサス、中国の上海、ドイツのベルリンに続き、メキシコに5番目のギガファクトリー設立を確定した。

 これに伴い、マスク代表は27日(現地時間)、尹大統領からギガファクトリー誘致関連提案書を受け取った後「韓国は投資候補地として非常に興味深く、最優先候補国家の一つ」として「韓国を訪問する機会があるだろう」と答えたと伝えられた。尹大統領がこの日、マスク代表と40分間会って「テスラ社が(韓国への)投資を決めるならば、立地・人材・税制など積極的に支援する」と述べたように、大幅なインセンティブを提案すれば投資の可能性は高くなる。テスラが韓国国内にEV工場を建てれば、国内の雇用を増やすのに役立つ。

 匿名を要請したある業界関係者は「テスラのギガファクトリーが韓国に建設されれば、韓国のバッテリーや素材メーカーには良い需要が生まれるという長所はある」としながらも「アジアに次の工場を建てるならば、EV需要が多い中国や、(バッテリー)原材料を入手しやすいインドネシアに建設するのが(テスラには)有利だろう。投資費用が多くかかる韓国は魅力度が低い」と分析した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1089849.html韓国語原文入力:2023-04-28 17:32
訳J.S

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