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コロナが招いた「グローバル住宅価格暴騰」、今はどんな局面か

登録:2022-02-20 21:34 修正:2022-02-21 08:43
コロナの流動性と不動産の曲線 
 
米国30%・ソウル31%…不動産価格高騰 
住宅価格グラフ 2006~07年のピーク時と類似 
昨年末から上昇傾向鈍化の流れ 
「手に負えない価格は暴落する」警告は現実に?
先月12日(現地時間)米国フロリダの市民活動家と借家人たちが、過度な住宅費用上昇問題と関連して市会議員に抗議している(左)。ソウル市麻浦区孔徳洞のある不動産仲介業者の売り物件掲示板/AP・聯合ニュース、キム・テヒョン記者、グラフィック ノ・スミン記者//ハンギョレ新聞社

 米国の住宅用不動産価格の流れを示す代表的な指標はケース・シラー住宅価格指数(S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price)だ。信用評価会社のスタンダード・アンド。プアーズ(S&P)が毎月最終週の火曜日に2カ月前の数値を発表する。ニューヨーク、シカゴ、ボストン、ロサンゼルスなど全米20大都市の個別指数と主要20都市指数、主要10都市指数、全国指数を算出する。

 先月25日、S&Pは昨年11月の指標を発表した。米国の住宅価格の上昇傾向は激しく続いている。アリゾナ州のフェニックスは、1年前に比べて32.2%も上がった。フロリダ州のタンパが29.0%上がったのをはじめ、年間上昇率が20%を超える都市が主要20都市中で10都市を占めた。上昇率が10%を下回ったところは一つもなかった。全国指数の年間上昇率は18.8%に達した。2020年初めから1年11カ月間の上昇率は30%だ。

コロナとゼロ金利、そして住宅価格

 米国の住宅価格は、2007~2008年の米国発世界金融危機の時に急落し、2012年2月まで下落傾向を示していた。その後に反騰を始め、徐々に上昇した。上昇がきわめて急激になったのは、新型コロナの大流行をむかえ米国の連邦準備制度(Fed)が金利をゼロ水準に下げてからだ。Fedは年1.75%だった基準金利の上段を、2020年3月には0.25%まで下げた。これに前後して住宅価格上昇率が変わった。ケース・シラー住宅価格指数で見る全国住居価格は、2012年2月から2020年2月までの8年(96カ月)間で月平均0.46%上昇したが、Fedが新型コロナ危機に対応して基準金利を引き下げた時から1年9カ月(21カ月)のあいだの月平均上昇率は、その3倍近い1.24%に急上昇した。「コロナ流動性」の力をグラフの急な傾きがよく示している。

 米国だけではない。世界の主要国の住宅価格上昇も続いた。英国の不動産情報企業「ナイト・フランク」は、パートナー企業の力を借りて世界50カ国あまりの国および地域の住宅価格変動データを四半期ごとに公開している。ナイト・フランクの「グローバル・ハウスプライス・インデックス報告書」によれば、パンデミック以後、2020年第3四半期から住宅価格の上昇が始まって、第4四半期からは上昇が急速にあがった。世界主要7カ国(G7)にスイス、スウェーデン、ベルギー、オランダ、韓国の5カ国を含む12カ国の住宅価格の動きを見れば、2019年9月末までの1年間は2.8%の上昇だったが、2020年9月末までの1年間は5.2%上がり、2021年9月末までの1年間は13.0%も急騰した。

 もちろん国ごとに差はある。イタリアの場合、2021年9月末までの1年間は0.4%の上昇に終わった。2021年9月末までの1年間の上昇率が目立つ国は、韓国(26.4%)、スウェーデン(20.3%)、米国(18.7%)、オランダ(18.4%)、カナダ(17.3%)などだ。日本(8.9%)やフランス(7.5%)は上昇率が相対的に穏やかだった。

 世界の主要都市の住宅価格を集計するプライム・グローバル・シティインデックスによれば、新型コロナの流動性が住宅価格を引き上げたことを一層はっきり見ることができる。2021年第3四半期末に発表した世界46の主要都市の住宅価格上昇率(年率)を見ると、2019年第1四半期から2020年第3四半期までは、1年間の上昇率が2%を下回っている。2020年第4四半期から徐々に上がり始め、2021年第2四半期末には8.3%、第3四半期末には9.5%に急騰した。

 新型コロナパンデミックは現在も進行中で、世界各国が景気後退に対応して下げた基準金利もそのままだ。ただし、Fedは3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で基準金利を引き上げる意向を明らかにしている。ケース・シラー住宅価格指数で見れば、米国の住宅価格はまだ上昇傾向が続いてはいるが、少しずつ鈍化している。S&Pは、全国指数基準の年間収益率が8月の19.8%から9月は19.5%、10月は19.1%、そして11月には18.8%で3カ月連続で下落したと明らかにした。主要20都市指数は4カ月連続で下落した。

 米国では住宅価格バブルが途方もなく大きくなって弾けたことがある。1990年以後、米国住宅価格の長期推移を見れば、1996年末まではきわめて緩やかに上昇したが、1997年に4%上昇したのを始め、2002年と2003年には9%台、2004年と2005年には13%急騰した。その後は1年ほど高どまりして下落傾向に転じた。サブプライムローン問題が起きて下落傾向は急速化した。S&Pの集計によれば、2006年7月を頂点として2012年2月までの下落幅は27.4%。主要10都市基準では35.3%下がった後に反騰した。

上昇が鈍化した住宅価格グラフ

 2012年2月を底として始まった今回の米国の住宅価格上昇は、2021年11月までの上昇幅が106.1%に達する。2006年を頂点とした時に比べても46.1%も上がった。上昇率の流れを見ると、2020年の1年間に10.4%上がり、2021年には11月までで17.8%上がった。あたかも祝砲を打ち上げるような姿だ。

 Fedより先立って韓国銀行は2021年8月から基準金利を0.25%ずつ3回引き上げた。しかしKB国民銀行のソウルアパート売買価格指数を見ると、2020年に13.0%、2021年には16.4%も上がっている。上昇幅は次第に減っている。

 ロバート・シラーは2000年に著した『投機バブル 根拠なき熱狂(原題:IRRATIONAL EXUBERANCE)』で、米国の住宅価格バブルはすでに始まっていると指摘した。シラーは過去数百年の歴史を分析し、住宅価格が消費者にとって手に負えないほど急騰した後には必ず暴落に至ると説明した。ディーン・ベイカー米経済政策研究センター所長は2002年8月に、ポール・クルーグマンは2005年8月に破局を警告した。理性的な専門家たちの警告は、時に早すぎるものだ。

 米国も韓国も最近の住宅価格グラフの急な傾きは、2006~2007年に住宅価格が頂点に達した時ときわめてよく似ている。今は果たしてどんな局面だろうか。

チョン・ナムグ論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1031721.html韓国語原文入力:2022-02-19 15:00
訳J.S

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