韓国では先月1月、1カ月前と比べて7万件近く雇用が増えた。12カ月連続で雇用が増加し、約1年前の新型コロナウイルス再拡散による雇用ショックが緩やかに回復している様相だ。賃金も比較的大幅に上昇しているが、経済回復のスピードには及んでいない。最近は物価の上昇が激しいため、実質的な賃金上昇は遅い方だ。
統計庁が16日に発表した「1月の雇用動向」によると、先月の就業者数は2764万人(季節調整基準)で1カ月前より6万8000人増えた。就業者数は新型コロナ再拡散の影響で大幅に減少した昨年1月以後、12カ月連続で増加傾向にある。特にここ2カ月連続で前月に比べた就業者の増加幅が5万人を上回るなど、回復がさらに速くなっている。これを受け、15歳以上の人口に占める就業者の割合を意味する雇用率は徐々に上昇し、1月は61.2%に達した。コロナ渦で雇用率が底を打った昨年1月(58.9%)と比べると2.3ポイント高い。新型コロナ拡散直前の2020年1月(61.6%)にはやや及ばない水準だ。20代(59.5%)と50代(76.6%)は雇用率が新型コロナ流行前よりそれぞれ0.7ポイント、0.8ポイント上昇するなど、他の年代と比べて雇用回復の勢いが速かった。
1年間で最も就業者が多い産業は、25万人(以下、原系列基準)増えた保健福祉業だ。増加した就業者全体(113万5千人)の22%にあたる。公共行政業でも4万人増え、公共・準公共部門で就業者数が29万人近く増加した。これまで打撃が大きかった宿泊・飲食業でも就業者が12万8千人増えた。統計庁は「宿泊・飲食業は就業者数が上下動を繰り返してきた。今後の流れは見守らなければならない」と述べた。宿泊・飲食業の場合、回復傾向を断定するのは難しいという意味だ。ただ、このような就業者数の増加規模は比較対象である昨年1月の大幅減少による基底効果が反映されている。
雇用市場の質的変化を推定できる賃金も、上昇傾向を見せている。雇用労働部の労働力調査の結果によると、昨年1月から11月現在の常用労働者一人あたりの月平均累計名目賃金は363万2千ウォン(約31万円)で、前年同期に比べ4.3%増えた。2018年(5.3%)以降最大の伸び率だ。ただ、実質的な賃金上昇率は1%台にとどまった。急騰した消費者物価が労働者の購買力を低下させているということだ。消費者物価上昇率が4カ月連続3%台を保つなど、物価上昇が最近になってさらに強まっているため、このような流れは今後さらに明確になる見通しだ。