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半導体メモリー、冬が迫るか、秋を迎えるか

登録:2021-08-16 10:00 修正:2021-08-16 15:09
供給不足の予想で米半導体株価が反発 
「需要鈍化で在庫増加」悲観論はいまだに
モルガン・スタンレー半導体メモリー報告書//ハンギョレ新聞社

 半導体チップ不足が長期化するという分析が提起され、米国の半導体業種の株価が一旦反発した。外国人投資家の半導体株の投売りで衝撃を受けた韓国国内の金融市場が、今週どのような流れを見せるかに注目が集まる。

 13日、サムスン電子、SKハイニックスに続きDRAM市場で3位の米マイクロン・テクノロジーズの株価がナスダック市場で0.95%上がった70.92ドルで取引を終え、4日連続の下落から脱却した。米証券市場に上場された半導体の銘柄で構成されたフィラデルフィア半導体指数も0.67%上がり、7営業日ぶりに反発に成功した。未来アセット証券によると、米国の情報技術専門メディアはこの日、「チップ不足が全般的に悪化しており、来年の第4四半期12月期まで半導体不足現象は消えないだろう」と報じた。未来アセット証券のソ・サンヨン研究員は、「半導体を注文してから納品されるまでの時差が先週初めには20.2週間と過去最長を記録し、一部で主張する需要鈍化の心配は大きくないことが浮き彫りになり、半導体業種が反発し買い優勢に入った」と分析した。

 先週、韓国の金融市場は半導体メモリー業況の悪化を懸念し、KOSPI(韓国総合株価指数)が3100台に急落し、ウォン相場は1ドル1170ウォン近くまでウォン安が進むなど、大きく揺れた。韓国取引所の資料によると、外国人投資家は最近の7営業日(8月5日~13日)で、サムスン電子(優先株を含む5兆8619億ウォン、約5620億円)とSKハイニックス(2兆658億ウォン、約1980億円)を合わせて7兆9277億ウォン(約7600億円)の売り越しを記録した。これは、同期間のKOSPI全体の売り越し額(6兆9249億ウォン)より1兆ウォン以上多い数値だ。言い換えれば、外国人投資家が他の業種の株を買ったということだ。サムスンSDIとLG化学などの2次電池株を中心に、外国人投資家の買い注文が殺到した。「セルコリア」(韓国市場売り)ではなく、「セル半導体」(半導体売り)というわけだ。しかし、サムスン電子(優先株を含めて21.94%)とSKハイニックス(3.23%)がKOSPIで占める割合は25.17%(13日基準)に達する。年頭(30.53%)に比べて割合は減ったものの、指数への影響力は依然として強力だ。米証券市場も同期間、半導体株は急落したが、時価総額1、2位のアップルとマイクロソフトが強気を維持し、指数を最高水準に押し上げた。

 米国の半導体株が反発し、メモリー業況論争も白熱するものと予想される。これに先立ち、台湾の市場調査機関のトレンドフォースは、パソコン向けDRAM価格が第4四半期に最大5%下ちるだろうと見込んだ。メモリーの供給不足を懸念したパソコンメーカー各社は、あらかじめ在庫を増やしたものの、経済活動の正常化によりパソコンのDRAM需要は減少するだろうと見込んだためだ。モルガン・スタンレーも12日、「メモリー業種に冬が到来している」と題する報告書で、「メモリー部門は供給が需要に追いつき、在庫過剰問題が顕著になるだろう」とし、SKハイニックスに対する投資意見を比重拡大から縮小に、目標株価を15万6千ウォンから8万ウォンに大きく引き下げた。サムスン電子の目標株価も9万8千ウォンから8万9千ウォンに下方調整した。さらに、韓国の技術株に対する投資意見を「注意」段階と提示した。

 モルガン・スタンレーの見通しどおりなら、半導体業種の苦痛は始まったばかりなのかもしれない。一方、国内の証券街ではメモリー業況に対する懸念は行き過ぎだという見方が少なくない。KB証券のキム・ドンウォン研究員は「DRAMに占めるパソコン需要の割合は15%にしかならない。サーバー(30%)とモバイル(40%)業者の半導体在庫は増えておらず、急激な供給過剰の可能性は低いだろう」と分析した。

ハン・グァンドク先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1007749.html韓国語原文入力:2021-08-16 02:14
訳C.M

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