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新型コロナの急速な再拡散でウォン安ドル高進む

登録:2021-07-15 06:42 修正:2021-07-15 07:43
1ドル1150ウォン台に接近
今月14日、ソウル明洞のハナ銀行で行員たちが業務に勤しんでいる。同日、ソウル外国為替市場でウォンの相場は一時1151.9ウォンまでウォン安が進んだ/聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染症の再拡散と米国の物価急騰の影響で、ウォン相場が再び1150ウォン台に近づいている。

 14日、ソウル外国為替市場でのウォン相場は、3.1ウォン安ドル高の1148.5ウォンで取引を終えた。取引中には1151.9ウォンまで高騰する場面もあった。13日(現地時間)、米国の6月の消費者物価の急騰でドル高が進んだ影響を受けた。しかし、ドルの推移を考えても、ウォン安の幅はかなり大きい。ユーロなど6つの主要通貨と比べたドル相場(ドルインデックス)は、今月に入ってむしろ0.35%下落した。一方、1ドル当たりのウォン相場は同期間中1.99%下落した。

 ウォンの方向性に影響力の大きい人民元の価値は、人民銀行の支払準備率引き下げにも強気を見せている。したがって、今回のウォン安の流れには対外要因よりは、韓国国内での新型コロナの感染拡大がより大きく影響を及ぼしたものとみられる。首都圏で社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の段階がレベル4に引き上げられるなど、防疫措置が強化されたことを受け、消費など内需回復が遅れるだろうという懸念から、ウォン安ドル高が進んでいるという意味だ。韓国投資証券のクォン・ヒジン研究員は「ドルに対するウォン相場の主要抵抗線である1150ウォンを割り込んだ場合、1170ウォンまで進む可能性もある」と見通した。

 緊縮の日程を調整している韓米通貨当局の態度が食い違う可能性もウォンには負担となっている。デルタ株の急速な拡散が、年内に1~2回の基準金利引き上げの時期を見計らっていた韓国銀行の足を引っ張る要因になり得る。一方、物価上昇の勢いが増している米国の連邦準備制度理事会(FRB)には、緊縮の繰り上げを求める圧力が高まっている。

 新型コロナに対する敏感度が以前より下がっており、状況が悪化しても、追加でウォン安ドル高の幅は大きくないだろうという見通しもある。新型コロナの世界的な大流行が発生した昨年2~3月、ウォン相場は102ウォンも急騰したが、第3波の時期である昨年12月には21ウォンの上昇にとどまった。KB証券のキム・ヒョジン研究員は「当面、ウォンの安定を期待するのは難しいかもしれないが、ワクチン接種に再び拍車がかかれば、ウォン高ドル安が進むだろう」と予想した。

ハン・グァンドク先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1003527.html韓国語原文入力:2021-07-1502:47
訳H.J

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