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「コロナ禍以前」を超えた韓国経済…対面消費は低迷続く

登録:2021-04-28 06:31 修正:2021-04-28 20:31
[コロナ禍の1年の景気診断] 
第1四半期の成長率1.6%…輸出・設備投資は2019年末の水準を回復 
対面サービス中心の民間消費と建設投資は依然として低迷
ソウル広場に設置された臨時選別診療所で医療陣が検体を採取している/聯合ニュース

 韓国経済は今年第1四半期に1.6%成長した。予想を上回り、年間3%半ばの成長率を記録する可能性が高まった。主な指標が新型コロナ発生前の水準まで回復した中、対面サービス消費が最後の課題になる見通しだ。

 韓国銀行(韓銀)は27日、今年第1四半期の実質国内総生産(GDP)が前期に比べ1.6%成長したと発表した。四半期別成長率は新型コロナの発生と共に昨年第1四半期(-1.3%)と第2四半期(-3.2%)に連続でマイナスを記録してから、第3四半期(-2.1%)と第4四半期(-1.2%)には持ち直した。前年同期に比べ1.8%成長したが、これは2019年第4四半期(-2.3%)以来の最高値だ。

 第1四半期の予想を上回る回復ぶりを受け、今年の年間成長率への期待も高まっている。韓国銀行のパク・ヤンス経済統計局長は「これに先立ち、イ・ジュヨル総裁が3%半ばの成長について言及したが、可能かもしれない」と述べた。実際、第2~4四半期の成長率(前期比)が0.5%を記録すれば、年間3.6%の成長を達成できる。もし今年残りの四半期の成長率が0.7~0.8%の場合は、年4%台の成長も見込める。

 今年第1四半期の成績表において注目すべきなのは、韓国経済の脆弱地点だった内需が成長率を引き上げた点だ。昨年第4四半期に後退していた民間消費と設備投資が増加に転じた。民間消費は、2月の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の緩和と消費心理の改善で耐久財(乗用車、家電製品など)と非耐久財(飲食料品など)などが共に増え、前期に比べて1.1%増加した。昨年第4四半期(-1.5%)に比べ、かなり回復した。設備投資も6.6%増加したが、昨年第4四半期は-2.0%だった。

 経済回復をけん引してきた輸出は、自動車や携帯電話などを中心に1.9%増加したが、昨年第4四半期(5.4%)に比べて増加スピードが緩やかになっている。パク局長は「輸出が昨年第4四半期に大きく増えたことによるベース効果がある」とし、「米国の景気浮揚策と世界経済成長率が上向きになるなど景気回復がはやく進んでいるため、輸出増加傾向は維持され、改善されるだろう」と予想した。

新型コロナ以降の項目別経済回復速度=韓国銀行提供//ハンギョレ新聞社

 第1四半期の善戦で韓国経済はコロナ禍以前の水準に回復した。昨年の経済成長率が-1.0%を記録したため、2019年第4四半期に468兆8143億ウォン(約45兆8140億円)だった実質GDPは、昨年第4四半期には463兆3950億ウォン(約45兆億1250億円)まで減少した。これを受け、韓銀は今年第1四半期の成長率が1.3%以上なら、GDPの総額は2019年末の水準に達するだろうと試算した。同日、第1四半期の成長率がこれよりはるかに高いことが確認されたことで、実質GDP総額は470兆8467億ウォン(約45兆8500億円)となり、コロナ禍以前の経済規模を上回った。

 回復水準を詳しく見てみると、全体の実質GDP、輸出、設備投資部門が2019年末の水準を越えた。韓銀の分析によると、2019年第4四半期の経済水準を「1」とすると、今年第1四半期の実質GDP水準は1.004、設備投資水準は1.126、輸出水準は1.031などだ。一方、民間消費(0.945)や建設投資(0.980)などは依然として2019年第4四半期(1)の水準に及ばない。完全な回復のためには、二つの課題が残っているわけだ。特に、民間消費は感染のリスクから対面サービスの消費は依然として低迷している。新型コロナの感染拡大傾向やリベンジ消費が持続するかどうかなどがカギとなる見通しだ。

 対面消費は、今年4%成長を達成できるかどうかを分ける要因になるとみられる。大信証券のコン・ドンラク研究員は「第1四半期の成長率が1.6%を記録したのは、これまで不振だった民間消費や設備投資が増加に転じたため」とし、「対面サービスの消費も回復すれば年間4%成長も見込める」と述べた。

チョン・スルギ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/992830.html韓国語原文入力:2021-04-28 02:41
訳H.J

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