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HMM 1年「海運韓国再建の航路が開かれた」

登録:2021-04-01 21:27 修正:2021-04-02 06:44
現代商船→ HMMに社名変更から1年 
世界最大のコンテナ船12隻投入…昨年黒字1千億円 
韓進海運の破産で崩れた船腹量、来年回復期待
世界最大コンテナ1号船 2万4千TEU級「HMMアルヘシラス号」の満船出港をはじめ同級船舶12隻すべてで満船を記録するなど、32航海連続満船という記録を残した=HMM提供//ハンギョレ新聞社

 「華麗な変身に成功した」

 HMMが社名変更1周年を迎えて発表した資料で明らかにした自評だ。過去1年間、国際アライアンス(The Alliance)加入と創社以来最大の黒字を記録したことを変身成功の核心の理由に挙げた。

 実際、同社は昨年1兆ウォン近い営業利益(9808億ウォン、約960億円)を上げた。10年ぶりの黒字転換だ。船腹量も大きく増えた。昨年3月は43万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1台分)に留まったが、1年後の現在は72万TEUを超えた。同社の関係者は「来年は船腹量100万TEUに増える見込みだ。2017年の韓進(ハンジン)海運破産前、国内1・2位だった船社の韓進海運と現代商船の船腹量合計に匹敵する」と明らかにした。韓進海運の破産を契機に、国際船社の規模が半分に縮小したが、3年ぶりに韓進海運の空白をHMMが埋めることに成功したという意味だ。現代商船はHMMの社名変更前の名前だ。

 HMMの成長ストーリーは、海運景気の回復と合致した超大型コンテナ船の相次ぐ投入戦略によるもの。同社は昨年4月、1号船HMMアルヘシラス号の引き受けを皮切りに、2万4000TEU級コンテナ船12隻を買収し相次いでアジア~欧州航路に投じた。この日現在まで32航海連続満船を継続している。海運景気の回復で増えた物流量を席巻したという話だ。HMMアルヘシラス号は最近、スエズ運河を塞いで有名になったコンテナ船エバーギブン号(2万2000TEU)より大きい。

 HMMは今年3月からまた別の超大型コンテナ船1万6000TEU級8隻の引き渡しを受け始めた。これらの船舶は、パナマ運河を通過できる最大規模の船舶で、北米や欧州など全世界の主要航路にすべて投入可能だ。最近は海運産業が大量輸送による運賃競争を繰り広げていて、超大型コンテナ船を通じた燃料費と運賃の削減が海運会社の中核技術になっている。

HMMの船腹量増大計画=HMM提供//ハンギョレ新聞社

 今年上半期に1万6000TEU級の超大型船舶8隻の引き渡しを受ければ、HMMはコンテナ船77隻、85万TEUの船隊を運営することになり、規模の経済効果を享受することになる。額面割れしていたHMMの株価も、好実績に支えられ最近1年間で10倍近く急騰した。

 だが、先は長いとの分析もある。過去の不良を清算しきるにはまだ力不足ということだ。約3千億円の政策資金支援を受け、支配構造が変わった。HMMの最大株主は持分12.61%を保有する産業銀行で、その後に信用保証基金(持分率7.51%)、海洋水産部傘下の海洋振興公社(4.27%)が続く。産業銀行の管理会社になった状況であり、たびたび“売却説”が出てくるのはこのような背景がある。最大黒字を記録したが、現在の財務と持分構造から見て独立経営は遠い話だ。昨年4月に7200億ウォン(約700億円)規模の永久転換社債発行を実施し、かろうじて資本蚕食から抜け出た状態だが、7兆ウォン台の負債(2020年12月基準)を抱えている。産業銀行、海洋振興公社と結んだ競争力向上案の履行約定も1年単位で更新している。

 運賃の変動性と競合するグローバル船社の動向に左右される海運業の特性も考慮しなければならない。一層熱くなった競争環境もHMMが乗り越えなければならない課題だ。最近になってグローバル船社たちもどんどん2万4000TEU級船舶の発注と投入を増やしている。NH投資証券のチョン・ヨンスン研究員は「現在はコンテナ運賃が上がり、物流量も良く大きな収益を出しているものの、海運業は基本的にサイクルに依存する産業」だとし「現在発注された船舶があふれる2、3年後の競争状況は様変わりしているかもしれない」と話した。

ク・ボンクォン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/989153.html韓国語原文入力:2021-04-01 14:40
訳J.S

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