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韓国の新型コロナ関連財政支援、G20のうち15位

登録:2021-02-02 06:01 修正:2021-02-02 07:38
IMFの「財政モニター」 
 
ワクチンの開発や防疫、災害支援金など 
昨年は対GDP比3.4%のみ支出 
先進11カ国では最下位に止まる 
中小企業向け融資など金融支援は7位 
国債増やす代わりに民間負担増大
国際通貨基金(IMF)の「財政モニター」の表紙=IMFホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社
ソウル鍾路区崇仁洞の東大門市場周辺の通りにある廃業した飲食店の入り口に、テナント募集の幕がかかっている/聯合ニュース

 昨年韓国が新型コロナウイルスに対応するため追加で行った財政支援は国内総生産(GDP)の3.4%で、主要20カ国・地域(G20、スペインを含む21カ国)のうち15番目だった。小商工人(製造業や鉱業、建設業などは社常用労働者10人以下、小売業や飲食業、宿泊業、サービス業は常用労働者5人以下の企業の事業主)と中小企業向け融資など金融支援の金額では7番目だった。

 国際通貨基金(IMF)の「財政モニター・アップデート」(Fiscal Monitor updates)によると、韓国は昨年、新型コロナへの対応のためのワクチン開発や防疫支援、災害支援金、税金減免などに560億ドルの財政を使った。4回にわたる補正予算に含まれた全国民への災害支援金や小商工人対象の希望資金、通信費支援などが含まれた金額だ。国内総生産の3.4%は21カ国の中で15番目で、G20の中で先進11カ国(スペインを含む)では最下位だった。基軸通貨国の米国が16.7%で最も多く、英国(16.3%)や豪州(16.2%)、日本(15.6%)、カナダ(14.6%)、ドイツ(11.0%)などが二桁の財政支出を行った。そのほかはフランス(7.7%)やイタリア(6.8%)、スペイン(4.1%)、欧州連合(3.8%)などの順だった。新興国のブラジル(8.3%)や中国(4.7%)、南アフリカ共和国(5.5%)、アルゼンチン(3.8%)なども、韓国より財政支出が多かった。

 一方、小商工人や中小企業への融資や流動性供給などの金融支援は韓国が(GDPの)10.2%(1660億ドル)で、21カ国のうち7番目に高かった。イタリア(35.5%)や日本(28.4%)、ドイツ(27.8%)、英国(16.1%)、フランス(15.8%)、スペイン(14.4%)も金融支援規模が比較的大きかった。

 財政・金融支援を合わせると計13.6%で21カ国中11番目だった。最も多い国は日本(44.0%)で、イタリア(42.3%)、ドイツ(38.8%)、英国(32.4%)、フランス(23.5%)、米国(19.1%)、カナダ(18.6%)、スペイン(18.5%)、オーストラリア(18.0%)、ブラジル(14.5%)の順だった。

 韓国は、政府債務が増える財政支援より、家計や小商工人、企業など民間が負担を持つ金融支援により積極的だった。ハ・ジュンギョン漢陽大学教授(経済学)は「比較的うまく新型コロナに対応し、全面封鎖がなかったため、財政支出を減らした側面と、財政保守主義の影響などで財政支出に消極的だった側面の両方が現れている」と述べた。ハ教授は「今年は経済回復が予想されるが、依然として社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)が続き、これによる二極化が進んでおり、政府の積極的な役割が必要だ」とし、「民間がたくさん借金をすれば今後の景気回復がもっと難しくなる可能性がある」と指摘した。ウ・ソクジン明知大学教授(経済学)も「第3波による被害が過去の流行よりもっと長くて深い」とし、「小商工人はもちろん低所得賃金労働者まで深く広く支援しなければならない」と述べた。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/981336.html韓国語原文入力:2021-02-02 02:06
訳H.J

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