史上最長期間の梅雨に続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再流行を受け、下半期の経済予測が悲観的に変わっている。第3四半期には景気が速やかに上向くという期待は消えており、官民機関の今年の成長率予測値も下方修正される雰囲気だ。政府は防疫の妨げにならない水準での景気浮揚策を絞り出すために苦心している。
韓国銀行(韓銀)は27日に発表する修正経済予測で、今年の経済成長率予測値を既存の-0.2%から-1%近くに下げると予想される。韓銀が5月に予測した際には、国内でのCOVID-19の大規模再流行は発生しないという基本シナリオを前提に、今年の成長率を-0.2%と見通した。COVID-19がさらに長引く“悲観シナリオ”が現実になる場合は、成長率が-1.8%に落ちると予測した。
現在、米国などの主要先進国は封鎖措置を再開していないが、欧州ではCOVID-19の新規感染者数が再び増えるなど、状況は悪くなっている。韓銀のイ・ジュヨル総裁は24日、国会の企画財政委員会で「国内のCOVID-19流行と社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)のレベル引上げが経済に否定的な影響を与えることにより、成長率予測も大幅に引き下げなければならないだろう」と述べた。
企画財政部の関係者も「梅雨に続くCOVID-19の再流行で、今年のプラス成長は難しいと思われる」と述べた。政府は公式には今年の0.1%成長率を提示したが、内部的にはマイナス成長を予測する雰囲気だ。
経済研究機関も成長率予測値を下げている。現代経済研究院は23日、今年の成長率予測値を既存の0.3%から-0.5%に下げた修正経済予測を出した。現代経済研究院は「ウイルス再流行を考慮すれば、希望的なV字あるいはU字型の景気反騰より、悲観的なW字型の二重停滞が起きる可能性がより一層高まっている」と診断した。
韓国開発研究院(KDI)は11月頃に出す下半期経済予測で、成長率予測値を下方修正する可能性が高くなった。KDIは5月に発表した上半期経済予測で、COVID-19の流行の傾向が、国内では上半期に、全世界では下半期から鈍化する基準シナリオを前提に、今年の0.2%成長を予測した。KDIのチョン・ギュチョル経済予測室長は ハンギョレとの電話インタビューで「現在の経済状況は基準シナリオを脱し、下位シナリオ(成長率予測-1.6%)の近くに向かっている」とし、「外国でもCOVID-19の流行が続き、輸出と民間消費は全て厳しくなるだろう」と予測した。その他にも、COVID-19の2次ショックを仮定した国内外の機関の今年の韓国の成長率予測値によると、資本市場研究院は-1.9%、経済協力開発機構(OECD)は-2%だ。
韓銀の推定によると、今年の成長率を-1%台でも確保するには、第3四半期と第4四半期の前期比の成長率は最低でもそれぞれ1.8%程度になる必要がある。輸出実績は第2四半期よりは良くなったが回復速度は遅い。8月1日~20日までの輸出額は前年同期比-7%で、7月全体の輸出減少率(7%)と同水準だ。
結局、経済回復のカギは内需次第だという診断が多い。しかし政府は、防疫が最優先であるだけに、防疫の助けにならない経済活性化対策は用いないという方針だ。政府は14日に消費活性化を目的に旅行・公演・外食など8業種に対して消費クーポンを発給したが、COVID-19の流行により2日後に中断した。現在政府は、非対面消費が可能な方式に変える案などを検討中だ。