韓国企業は新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、春節(旧正月)の連休で稼動を停止している中国の工場を再稼動させず、駐在員を帰国させるなどの「非常体制」を稼動している。
中国の湖北省武漢で自動車用鋼板の加工工場を運営しているポスコは、春節の連休を延長するという中国政府の措置を受け、来月2日まで武漢を含めた中国全域の工場の稼動を止めている。ポスコの関係者は28日、ハンギョレの電話取材に対し「再稼動の時期は状況を見守らなければならない」と述べた。
やはり武漢に工場を置くSK総合化学は、工場は通常通り稼動させているものの、「最少人材」で運営している。SKは「現地工場で勤務していた10人あまりの韓国人社員を帰国させ、副社長クラス1人が残って在宅勤務をしながら現地の状況を鋭意注視している」と語った。出張で中国に行ってきた社員に対しては、異常症状の有無とは関係なしに10日間の在宅勤務を命じている。江蘇省蘇州市で家電工場を運営しているサムスン電子は、来月8日まで工場稼動再開をとりあえず延期することにした。中国政府が連休を2月2日まで延長した中、蘇州市は別途通知を出し、少なくとも8日まではすべての企業に業務を再開しないよう指示したという。蘇州市の半導体後工程工場は正常に稼動中だとサムスン電子は説明した。
北京や重慶などに工場を持つ現代自動車グループは、中国工場の稼動を来月2日まで中断する。グループ関係者は「流動的な状況のため、追加の休業は決めていない」と述べた。現代自動車グループは駐在員の家族の帰国を勧め、会社が費用を支援することにした。またグループ内のすべての幹部と社員の中国出張を、別途の指針が出るまで禁止した。
LG電子、LG化学をはじめとするLGグループの主要企業は、この日から中国全域への出張を全面禁止した。また、中国の現地法人に派遣されている出張スタッフもできるだけ早く帰国させる方針だという。広東省広州市などで工場を運営しているLGディスプレイは、工場はそのまま稼動するものの、韓国内の役員の中国出張を中止したと明らかにした。