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三星(サムスン)エバーランド 上場推進 電撃決議…3世継承 加速化

登録:2014-06-03 22:51 修正:2014-06-04 07:29
三星(サムスン)一家の3世であるイ・ジェヨン 三星電子副会長、イ・ブジン ホテル新羅社長、イ・ソヒョン エバーランド ファッション部門社長(左から)

 三星(サムスン)の事実上の持株会社格である三星エバーランドが電撃的に上場推進を決めた。 イ・ゴンヒ会長の長男であるイ・ジェヨン 三星電子副会長など三星3世の経営継承作業がますます加速する様相で、先月9日に発表された三星SDSの上場推進発表に続く2弾格だ。

 エバーランドは2日午前、理事会を開き上場を推進することを決議したと発表した。 上場時点は来年1分期が有力だと言う。 エバーランドは上場を推進する理由として、投資財源の確保を通じて昨年再編された事業部門の競争力を早期に確保し、グローバル ファッションおよびサービス企業に跳躍するためのものと明らかにした。 ユン・ジュファ社長は「エバーランドは各部門の事業競争力を最大化して海外進出拡大のための技術、人材、経営インフラを積極的に確保して、グローバル ファッション・サービス企業に成長していくだろう」と説明した。 エバーランドは昨年9月、第一毛織からファッション事業部を買収して、11月には給食および食材流通事業部を分離した。 また、建物管理事業部はエスワンに譲渡した。

■合計5兆ウォン台のキャピタルゲイン

 エバーランドの上場でイ・ジェヨン副会長など三星3世は数兆ウォン台の天文学的キャピタルゲインを得ることになった。 現在、三星3世が保有するエバーランドの株式は、イ・ジェヨン副会長25.1%、イ・ブジン、イ・ソヒョン社長がそれぞれ8.37%など計41.84%に達する。 エバーランドの株式はほとんどがイ・ゴンヒ会長一家と三星系列会社KCCが保有していて、店頭株の市場取り引きは殆どなく、KCCが2012年に三星カードから株式を買い入れた価格である1株当り182万ウォンを適用すれば、3世の株式価値は1兆9千億ウォンに達する。 株価は上場以後更に上がるのが一般的だが、金融市場で提起されている1株当り300万ウォンが現実化すれば、3世のキャピタルゲインは3兆ウォンを越えることになる。 三星SDSの上場による2兆8千億ウォン内外の予想利益(店頭株市場相場である1株当り19万ウォン基準)まで含めれば、3世の予想キャピタルゲインは合計6兆ウォンに肉迫するわけだ。

■不法相続論議

 三星3世の天文学的キャピタルゲインは去る1996年エバーランド転換社債(CB・株式に転換できる権利を持った債権)安値引き受けを通じて得たものなので論議が予想される。 エバーランド転換社債安値発行事件は、イ・ゴンヒ会長が1995年に日本の慶応大学大学院生だったイ・ジェヨン氏に61億ウォンを贈与した後に税金16億ウォンを払い残った45億ウォンでエバーランドなどの系列会社株式を安値で買い入れて始まった三星の不法経営権継承論議の核心である。 当時イ・ジェヨン副会長兄妹のエバーランド株式引き受け価格は1株当り7750ウォンで、KCC株式買い入れ価格の235分の1に過ぎない。 検察は2002年エバーランド事件を起訴した当時の適正株価を8万5千ウォンと策定し、裁判所は2007年の控訴審で1株当り1万4825ウォンが適正価格だと判決した。

■三星の今後の歩み

 金融市場ではエバーランドの上場が今後3世経営継承のために展開する三星系列会社の持ち株会社転換と合併を念頭に置いた事前の布石という分析が支配的だ。 イ・ジェヨン、イ・ブジン、イ・ソヒョンらイ・ゴンヒ会長の子供の経営継承にあって最も大きな障害物は、三星電子・三星物産・ホテル新羅・第一企画など核心系列会社の持分がきわめて低かったり、全くないという点だ。 イ・ジェヨン副会長らは核心系列会社の持分確保と、イ・ゴンヒ会長夫婦が持つ三星電子(4.22%),三星生命(20.76%)等12~13兆ウォン相当の株式を相続するのに莫大な資金が必要だ。 専門家たちは三星3世の相続税納付だけで6兆ウォン以上の資金が必要で、三星SDSなどの上場差益だけで充当することが不可能なので、今後エバーランド、三星電子、三星物産の持ち株会社転換と合併を通じて3世の核心系列会社持分確保とグループ支配権維持を試みると見て、多様な予想シナリオを提示している。

■なぜ今、上場を発表?

 三星がエバーランドの上場推進をあえてこの時点で決議した点も関心事だ。 三星周辺ではこれと関連してイ・ゴンヒ会長の病状と関連づける見解が多い。 イ会長は先月11日、心臓まひで倒れて手術を受け、20日余りが過ぎたがまだ病床から起きられずにいる。 三星は去る18日、病状が好転してイ会長が一般病室に移り、22日には三星ライオンズのイ・スンヨプ選手がホームランを打った瞬間に目を開いたと発表したが、依然として人を識別できない状態だ。 三星内外では三星が3世継承作業を急ぐのはイ・ゴンヒ会長がたとえ病床から起きても正常な経営復帰は事実上難しいということを示しているという解釈が支配的だ。 したがって今後三星の経営継承関連後続作業が一層加速すると見ている。 また三星が地方選挙投票前日にエバーランド上場推進を電撃的に決議したことは、不法継承論議にともなう負担を最小化するために世論の関心が相対的に分散する時点を選んだと見る視角が多い。

クァク・ジョンス先任記者 jskwak@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/640484.html 韓国語原文入力:2014/06/03 14:33
訳J.S(2299字)

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