水は高いところから低いところへ流れるが、資金は収益率が低いところから高いところに流れる。 米国の長期国債金利が年3%を再突破して、国際金融市場の資金が米国に急速に集まるものと見られる。 特に国債の金利水準が低い日本から米国への資金移動が加速化し、日本円価値の下落傾向がより一層加速化している。
去る27日、米国ニューヨークの金融市場では、10年満期米国国債の金利が前日より0.01%上がった年3.0%で取引を終えた。 取引中一時は3.02%まで上がり、2011年7月以来の最高値を更新した。 米国国債金利の上昇は、来年米国経済の回復傾向が本格化し米国連邦準備制度(Fed)が量的緩和を縮小するという展望を反映したものと解釈される。 将来の景気に対する不安感から、安全資産である債権を好んだ投資家が、危険資産である株式投資の比重を増やしたことにより国債価格が下落して金利が上昇したということだ。
<日本経済新聞>は「米国連準が量的緩和を縮小すると明らかにした去る9月にも米国の長期金利が一時年3%台に上がったことはあるが、今回は景気回復展望を伴った良い金利上昇と受けとめる人が多い」と28日分析した。 <ウォールストリート ジャーナル>は日本三菱JFJ証券の米国債権首席トレーダーであるトーマス ロスの話を引いて「米国の長期国債金利が来年3月末までに年3.25%まで上がると見られる」と伝えた。
米国国債金利の上昇は、国際金融市場の資金を投資収益率が高い米国国債に移動させている。 <ウォールストリート ジャーナル>は米国と日本の金利差が拡大する中で、最近数週間、日本の投資資金が米国に素早く移動したと伝えた。 日本の10年満期国債金利は27日、年0.7%で取り引きを終え、米国の4分の1水準だ。 これに伴い、27日ニューヨーク金融市場でもドル高-円安傾向が続き、円-ドル為替レートが1ドル104.81円から105.17円に上がった。 円-ドル為替レートが105円台に上がったのは5年3ヶ月ぶりだ。
チョン・ナムグ記者 jeje@hani.co.kr