原文入力:2011-02-10午後08:08:42(2416字)
国家支援の下 早くから国際交流
名望家と後輩 協業経験 蓄積
"韓国、世界と知的交換を"
ク・ボンジュン記者
←妹島和世と西沢立衛の代表作 日本、金沢の‘21世紀美術館’。訪問客が建物のすべての方向から自由に入ることができる‘前後のない美術館’で、内部も決まった動線に従って観るのではなく自分の思いのままに自由に展示室を選び見物できる空間構成で美術館の固定観念を破った。
建築専門紙‘ワイド’集中分析
プリッカー賞。一般人にはまだ馴染みがうすいこの賞は別名‘建築界のノーベル賞’と呼ばれる。ハイアット ホテルチェーンを作ったプリッカー家が1979年に作り、世界的な生存建築家の中から毎年1~2人を選定する国際的建築賞だ。
31年間にこの賞を受けた35人の目録を見れば、最も目立つことは日本人建築家たちの驚くべき躍進だ。アジア唯一の受賞国である日本は、昨年 建築家コンビ 妹島和世(54)と西沢立衛(45)がこの賞を受賞し、先んじた丹下健三、槇文彦、安藤忠雄に加えて5人の受賞者を輩出した。国別には米国(7人)に次ぐ2位で、建築強国 英国(3人)やフランス(2人),イタリア(2人)よりはるかに上回っている。各種の例外的記録はより一層 注目に価する。大学教育を受けなかった唯一の受賞者(安藤忠雄),最年少受賞者(西沢立衛・受賞当時 44才),たった二人の女性受賞者中の1人(妹島和世)が日本人建築家であった。
なぜ日本人建築家たちは世界的に認められたのだろうか? 建築専門紙<ワイド>は最近、日本建築専門家の米国バークレー大学のDana Buntrock教授が韓-中-日建築学会交流会(ISAIA)で発表した論文<プリッカー強国 日本>を入手して紹介し、チョン・ポンヒ ソウル大建築科教授がBuntrock教授と会い‘未来の韓国受賞者のための提言’を語ったインタビューを特集として扱った。プリッカー賞の受賞が我が国建築の目標になることはできなくとも、建築に対する社会全般の認識を広げ建築文化を発展させるのに役立つという点で日本建築の成果は私たちの建築に示唆するところが大きい。日本建築界の強み、そして韓国建築界が世界的普遍性を持つための助言を要約紹介する。
←‘建築界のノーベル賞’と呼ばれるブリッカー賞 昨年受賞者である日本人建築家コンビ 妹島和世(右側)と西沢立衛。プリッカー財団提供
■日本成功の4つの秘訣
Buntrock教授は△国際的な普遍意識△文化交流のための国家的支援△外部の人が建築作業を評価できる知的な脈絡△活発な出版活動 を日本建築の4大強点に挙げた。日本建築界は早くから国際交流に出て、磯崎新がプリッカー賞元年から審査委員として活動したのを始め、プリッカー賞の歴史31年間で9年だけを除き日本人が審査委員として参加した。こういう国際ネットワークを可能にした土台が国家次元の財政支援だ。日本は自国建築を知らせる展示会を西欧でしばしば開催し、日本財団と日本協会が財政を支援する。これらの政府団体は開催国主要団体の支援も共に獲得する役割を遂行する一方、重要な文化界巨人たちを日本主催展示に参加させる戦略を早くから駆使した。1978年パリとニューヨークで開かれた‘日本における時間/空間’展示会の場合、フランス前職文化部長官がパリ展示の組織を引き受けた。
こういう支援で世界的名声を得た先輩建築家らは後輩たちと活発に協業し、機会を提供する。日本建築界の看板スターの1人である伊東豊雄(69)の場合、藤本壮介のような若い建築家を新しい展示や革新的な設計プロジェクトにしばしば参加させる。若い建築家たちが個人的にはできない部分を重鎮グループが助けるということだ。
目を引く点は、建築が建築以外の他分野や大衆と多くの接点を持つ文化風土だ。外部の人が建築作業を評価できる知的な脈絡は日本建築の特性と成果を大衆が簡単に理解できる‘話’(ナレーティブ)として作り出し、活発な出版活動がこのようにして導き出された話を効率的に知らせる役割をする。Buntrock教授はこのような点が建築談論の中心地である西洋と遠く離れた日本建築家らの意識を高揚させ、日本建築が国際的に通じうるキーワードを作り出したと分析した。
■それでは韓国建築界は?
Buntrock教授はチョン・ポンヒ教授とのインタビューで、国が大きく経済力があるからと自然にプリッカー賞を受賞できるわけではないと強調した。彼は「プリッカー賞を受賞するには世界の他の地域と知的に連結されなければならない」とし「韓国が中国より先にプリッカー賞を受けることになるかも知れない」と話した。
しかし、韓国建築界もやはり‘世界建築界との知的な交換’を先に実現することが重要だと指摘した。韓国建築界が世界建築界と一方向ではなく双方向で交流するためには‘分けるに値する何か’を韓国建築界が先に整理しなければならず、それを普遍性のある言語で批評し世界建築界の知性たちに伝達しなければならないということだ。Buntrock教授は「建築という分野はその社会の強みが反映される時に最高の価値を持つことになる」として「韓国建築界あるいは韓国社会が現在 もっとも価値を置いているのは何かと尋ねる質問に、自身の文化に対する省察を通じ自ら答を探さなければならない」と助言した。そして建築先進国らの若い学者たちが韓国にきて韓国建築を研究して学べるように積極的に乗り出せと強調した。
ク・ボンジュン記者 bonbon@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/462785.html 訳J.S