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人間はなぜ極端な右利きになったのか

登録:2026-07-04 09:54 修正:2026-07-04 10:01
[クァク・ノピルの未来の窓] 
直立歩行と左脳の進化の合作 
左利きが一定の割合で残ったのは、「戦闘仮説」と「進化的安定戦略」のため
霊長類の中で人間は右利きの割合が90%と際立って高い=ピクサベイ//ハンギョレ新聞社

 人間は霊長類の中で、右利きの割合が際立って高い進化上の特異種(Evolutionary Outlier)だ。

 世界中のあらゆる文化圏を通じて、人間の約90%が右利きだ。あらゆる動作で右手を使う割合を示す平均利き手指数(MHI)では、人間は0.76という突出した値を示し、明確な右利き傾向が表れている。すべての人があらゆる動作を100%右手だけで行う場合の指数が1.00。これを踏まえると、人間は極めて極端な右利きといえる。一方、他の霊長類ではこの指数は0.0付近にとどまる。考古学的証拠によれば、180万年前の人類の祖先にも右利きの傾向が優勢だった。

 このような特異な特徴がどのようにして生まれたのかは、長年の研究にもかかわらず、いまだ解明されていない謎の一つだ。英国オックスフォード大学の研究チームは、人間が極端な右利きになったのは、二足歩行と脳の拡大によるものとみられるとの研究結果を、国際学術誌「PLOS Biology」に発表した。

(上)利き手の潜在的要因。道具の使用、食性、移動方式、脳の大きさ、生息地、体重など。(下)霊長類全体の利き手の分布。左から人間、類人猿、旧世界ザル、新世界ザル//ハンギョレ新聞社

 研究チームは、サル41種と類人猿2025頭の行動データを統合し、道具使用、食性、生息地、体重、脳の大きさ、移動方式など、利き手の進化を説明する主要な仮説を検証した。

 その結果、生息地や移動方式など大半の要因を考慮した仮説では、人間の圧倒的な右利きの割合は一般的な進化の道筋から外れた極めて特異な現象だった。しかし、脳の急速な拡大と二足歩行に適した四肢の長さという二つの要因を加えると、右利きの割合は進化の自然な流れと一致した。四足歩行の霊長類は腕と脚の長さがほぼ同じだが、二足歩行の人間は脚が長く、腕は相対的に短い。

人類の祖先における利き手の傾向。左右の手の色のコントラストが鮮明であるほど利き手の選好が強い。時間の経過とともに片方の手だけを一貫して使う傾向(MABSHI)が強まり、その方向は右手へと固定されていった=ピューシェル教授, PLOS Biol.(2026)//ハンギョレ新聞社

■進化を重ねるほど右利きの割合が上昇

 研究チームは同じ手法を用いて、絶滅した人類の祖先の利き手の割合も推定した。その結果、人類は進化を重ねるにつれて右利きの割合が徐々に高まっていったことが分かった。アルディピテクスやアウストラロピテクスなど初期の人類は、現代の類人猿と同様に弱い右利き傾向を示していた。その後、ホモ・エルガスター、ホモ・エレクトス、ネアンデルタール人を経るにつれて右利きの割合は大きく上昇し、現生人類であるホモ・サピエンスに至って、現在のような極端な割合が定着した。平均利き手指数(MHI)は、ホモ・エルガスターが0.50、ホモ・エレクトスが0.54、ネアンデルタール人が0.64だった。

 だが、例外なき原則は存在しない。インドネシアで発見された小柄な「ホビット」として知られるホモ・フローレシエンシスは、右利きの割合は高くなかった。研究チームは、ホモ・フローレシエンシスは脳が小さく、平地と樹上の両方で生活していた集団だったことから、むしろ当然の結果だと説明した。

 研究を主導したトーマス・ピューシェル教授(進化人類学)は、「今回の研究は、人間の右利き傾向に関する主要な仮説を一つの枠組みの中で検証した初めての研究」だと述べた。

右利きの割合が変化してきた過程は、人類が二段階を経て進化したことを示唆している= Joshua Hoehne/Unsplash//ハンギョレ新聞社

■直立歩行で手が解放され、左脳が右手を選んだ

 研究チームは、右利きの割合が変化してきた過程は、人類が二段階を経て進化したことを示唆していると解釈した。まず直立歩行が始まったことで両手が自由になり、道具作りや身ぶりによるコミュニケーションなど、右手または左手のどちらか一方に偏った手の動きを行う機会が増えた。

 その後、脳が大きくなったホモ属の出現とともに大脳の進化が本格化し、脳の左右半球で役割分担が進んだ。この結果、複雑な道具操作や言語機能を担う左脳と結びついた右利きが爆発的に増加したという。

 では、左利きはなぜ消滅もせず、逆に増えもしないまま一定の割合を保っているのだろうか。最近発表された研究によると、左利きは多数派である右利きとは動きの方向が異なるため、相手の攻撃や防御をかわしやすいという利点があり(戦闘仮説)、一方で左利きの割合が高くなりすぎるとその優位性が失われることから、約10%という割合が維持されてきた(進化的安定戦略)と考えられている。

*論文情報 
Bipedalism and brain expansion explain human handedness 
https://doi.org/10.1371/journal.pbio.3003771

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1266151.html韓国語原文入力:2026-07-01 17:17
訳C.M

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