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高麗末期の舎利具、韓国に戻る…日本に流出し米国へと渡った後「還至本処」

登録:2024-02-07 06:18 修正:2024-02-07 08:23
ボストン美術館所蔵「銀製鍍金喇嘛塔形舎利具」 
舎利は曹渓宗に寄贈…舎利具は貸与形式で戻る
ボストン美術館所蔵「銀製鍍金喇嘛塔形舎利具」=大韓仏教曹渓宗提供//ハンギョレ新聞社

 14世紀の高麗時代の仏教文化の精髄を込めた芸術品だと評価される僧侶の舎利(釈迦の遺骨)と舎利具(舎利を入れる容器)の韓国への返還が推進される。

 文化財庁と大韓仏教曹渓宗は「米国の3大美術館の一つであるボストン美術館が所蔵する『銀製鍍金喇嘛塔形舎利具』を一定期間借り受ける案を推進している」とし、「舎利具とは別に、舎利は大韓仏教曹渓宗に寄贈することで美術館側と合意した」と6日明らかにした。貸与期間や方法など具体的な返還内容は今後協議を通じて決めることにした。

 曹渓宗は「舎利具に書かれている銘文によると、それぞれ釈迦牟尼仏5つ、迦葉仏2つ、定光仏2つ、指空禅師5つ、懶翁禅師5つの舎利が入っていたが、今は釈迦牟尼仏1つ、指空禅師1つ、懶翁禅師1つの合計4つの舎利だけが現存している」と明らかにした。舎利具は高麗末に懶翁禅師の入寂後に作られたものと推定されており、ボストン美術館は、京畿道揚州(ヤンジュ)にある檜岩寺を元の所在地と推定している。舎利具は日帝強占期(日本による植民地時代)に日本に流出したものを美術館が1939年に取得したことが分かった。

 舎利は釈迦誕生日(5月15日)の前に曹渓宗に寄贈され、舎利具は相互交流展示や保存処理などのため、美術館側から一定期間臨時で借り受ける方向で合意した。

 曹渓宗の文化部長であるヘゴン僧侶は「仏様と禅師たちの真身舎利は仏教の聖物であり、尊い礼敬の対象だ。『還至本処』(本来の場所に戻る)の意味を込めて、舎利を最大限尊重して迎える」と述べた。

 文化財庁のチェ・ウンチョン庁長は「今回返還が推進される舎利具は、高麗時代を代表する優れた文化遺産として、約100年ぶりに国内に渡り国民に公開されるという点で、大きな意味がある」と語った。

イ・ジョングク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1127400.html韓国語原文入力:2024-02-06 18:48
訳M.S

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