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韓国のタルチュム、ユネスコ無形文化遺産に…北朝鮮の「平壌冷麺の風習」も登録

登録:2022-12-01 06:34 修正:2022-12-01 07:32
ユネスコ無形文化遺産登録確定
韓国の代表的なタルチュム(仮面踊り)である河回別神クッタルノリ。韓国の国家無形文化財69号に指定されている=文化財庁提供//ハンギョレ新聞社

 韓国の伝統公演文化を代表するたるタルチュム(仮面踊り)が世界の文化遺産として認められた。

 文化財庁は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が先月28日からモロッコのラバトで開催している第17回無形文化遺産保護条約政府間委員会(以下、無形文化遺産委員会)会議を30日午前(現地時間)に再開し、「韓国のタルチュム(Talchum, mask dance drama in the Republic of Korea)」をユネスコ無形文化遺産として登録することを最終決定したと発表した。タルチュムの登録で、韓国は2001年に国内で初めてユネスコ無形文化遺産として登録された「宗廟祭礼楽」や、南北が共同登録したシルム(2018)、燃灯会(2020)などを含め、計22種のユネスコ無形文化遺産を保有することになった。

 文化財庁の報道資料によると、ユネスコ無形文化遺産委員会は「韓国のタルチュム」の登録と関連し、タルチュムが強調する普遍的平等の価値と身分制に対する批判は今日も依然として意味のあるテーマであり、各地域の文化的アイデンティティに象徴的な役割を果たしているという点などを高く評価した。特に、案件として上がってきた46件の登録申請書の中でも、「韓国のタルチュム」の登録申請書が無形文化遺産の社会的機能と文化的意味を明確に記述した模範事例だとして賛辞を送ったと、文化財庁は伝えた。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「韓国のタルチュム」に含まれた醴泉青丹ノルム(慶尚北道無形文化財)の演戯の場面=文化財庁提供//ハンギョレ新聞社

 登録を申請した「韓国のタルチュム」は、13の国家無形文化財種目と5つの市道無形文化財種目で構成されている。登録申請書の国家無形文化財種目には、最も古いタルチュム演戯である河回(ハフェ)別神クッタルノリを筆頭に、楊州(ヤンジュ)別山台ノリ、統営(トンヨン)五廣大、高城(コソン)五廣大、江陵(カンヌン)官奴仮面劇、北青(プクチョン)獅子ノルム、鳳山(ポンサン)タルチュム、東莱(トンネ)野遊、康翎(カンニョン)タルチュム、水営(スヨン)野遊、松坡(ソンパ)山台ノリ、駕山(カサン)五廣大、殷栗(ウニュル)タルチュムが含まれ、市道無形文化財種目としては束草(ソクチョ)獅子ノリ、退渓院(トェゲウォン)山台ノリ、晋州(チンジュ)五廣大、金海(キムヘ)五廣大、醴泉(イェチョン)青丹ノリが選ばれた。タルチュムは11月1日に公開されたユネスコ無形文化遺産委員会傘下の評価機構(Evaluation Body)の審査の結果、「登録勧告」判定を受けた。

 韓国の伝統タルチュムは、踊り、歌、演劇を網羅する総合芸術的な演戯だ。人や幽霊、動物のお面をかぶった躍り手たちが観客と歓呼と揶揄を交わしながら世相を風刺し批判するユーモアと道化に溢れる舞台を繰り広げるのが特徴だ。世相を皮肉りながらも、互いに排斥せず一つになることを目指す相互尊重の共同体文化遺産といえる。空き地があればどこでも公演できるため、俳優と観客が一つの空間で広くコミュニケーションを取ることができる点も特徴だ。

11月30日(現地時間)に行われたユネスコ無形文化遺産委員会で、「韓国のタルチュム」がユネスコ無形文化遺産に登録された。チェ・ウンチョン文化財庁長(中央)やパク・サンミ駐ユネスコ代表部大使(右から2番目)ら韓国代表団が喜んでいる=文化財庁提供//ハンギョレ新聞社

 韓国のタルチュムのユネスコ世界無形文化遺産登録は、文化財庁と外交部、慶尚北道安東市(アンドンシ)、タルチュムと関連した国家無形文化財・市道無形文化財保存団体、世界仮面文化芸術連盟が準備過程から協力して成し遂げた成果といえる。タルチュムは無形文化遺産制度が国内に導入された1960年代から国家無形文化財に指定され、国民には韓国無形遺産の代表的象徴として親しまれてきたことから、今回の登録はさらに特別な意味を持つと文化財庁は説明した。現在、ユネスコの無形文化遺産に登録されている韓国の無形文化遺産はタルチュムの他に、宗廟祭礼楽(2001)、パンソリ(2003)、江陵端午祭(2005)、カンガンスルレ・男寺党ノリ・霊山齋・済州(チェジュ)チルモリ党ヨンドゥングッ・処容(チョヨン)舞(2009)、歌曲・大木匠・鷹狩り(2010)、テッキョン・綱渡り・韓山モシ(からむし)織(2011)、アリラン(2012)、キムジャン文化(2013)、農楽(2014)、綱引き(2015)、済州海女文化(2016)、シルム(南北共同)、燃灯会などがある。

 一方、北朝鮮が登録を申請した「平壌冷麺の風習(Pyongyang Raengmyon custom)」も同日、ユネスコ会議で無形文化遺産への登録が決まった。北朝鮮はこれを受け、アリラン(2014年)、キムチ漬け(2015年)、シルム(2018年・南北共同登録)に続き、4種目の世界無形文化遺産を保有することになった。

ノ・ヒョンソク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1069645.html 韓国語原文入: 2022-11-30 21:15
訳H.J

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