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ナロ号はロシア産?…技術独立まだ遠い道

原文入力:2009-08-12午後02:21:31
核心1段ロケット 技術移転受けられず…協力過程で先輩風
“発射総括経験は成果”…2018年‘純粋開発’期する

オ・チョルウ記者

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韓国初の宇宙発射体‘ナロ号’(KSLV-Ⅰ)が7年に及ぶ開発日程を終え発射を控えているが、遅ればせながら‘技術国籍’論議に包まれた。ナロ号の国籍は韓国だがナロ号の核心である1段ロケットが‘技術移転なしで’輸入される状況が知らされ、事実上の国籍はロシアではないのかという指摘が生じている。
航空宇宙専門家たちは韓国がナロ号発射を通じて発射体運用経験は得るだろうが、これだけで‘宇宙発射自立国’(いわゆる‘宇宙クラブ’)の隊列に上ったと評価することは難しいと話す。

■ “1段ロケットはロシア領土と見なす”
最近、ロシア側が1段ロケットの燃焼試験日程の支障でナロホ発射がまた遅れ、1段ロケット開発に私たちの技術陣がどれくらい参加したのかに関心が傾き、韓国航空宇宙研究院(航宇研)側は“技術移転なき開発”方式を打ち明けた。こういう説明は1段ロケットが韓国・ロシアの共同開発品だと広報してきたこととは違う。

技術移転なき開発は両国の‘宇宙技術保護協定’(TSA)から始まった。1段ロケットが‘保護技術’に設定され、ロシアは1段ロケットを非公開で設計・製作・試験し納品して、ナロ発射場でも許可なく接近するのは禁止されたまま組み立てられ発射される。タク・ミンジェ カイスト教授(航空宇宙工学)は「1段とその周辺はロシア領土と見なされ、私たちの技術陣の接近が禁止されている」として「物はくれても技術は与えないという意」と話した。

このために政府と航宇研は1段の仕様すら詳しく把握できずにいる。航宇研関係者は「1段エンジンは(ロシアの次世代発射体である)アンガラの基本エンジンRD191をナロ号に合わせ改良したRD151」として「2つのエンジンがどのように違うかは分からない」と話した。一部ではロシア側が開発・試験費用を減らそうと、すでに開発されたRD191を少しだけ改造しナロ号用1段エンジンとして提供したという推測も出ているが、我々の技術陣がこれを直接確認する方法はない状態だ。アンガラはロシアが1995年から国策事業として推進してきた次世代宇宙発射体プロジェクトで、開発大詰めの段階にあるが公式試験飛行はされていない。

ナロ号開発初期には技術移転に対する期待がある程度あったと知られた。ナロ号推進過程を見守ってきたタク教授は「2005年まで70人余りの航宇研研究者たちがロシアに行き、システム設計会議(SDR)にも参加し雰囲気も良かった」として「しかし、その年末に詳細設計会議(CDR)に達し、ロシア側が宇宙技術保護協定の締結を要求し、1段ロケットは共同開発対象から除外された」と話した。以後2007年ロシア議会で協定批准が終わった後にナロ宇宙センター発射台のロシア基本設計を譲り受けナロ号開発が本格化した。

■ “宇宙発射 初経験…自立国は道遠し”
韓国が不利な条件でロシアに引かれてきたのは発射体技術の性格のためだと専門家たちは話す。発射体技術は軍事ミサイルへの転用が可能で国家間の技術移転が非常に難しい。

2002年航宇研と政府は韓国初めての液体燃料小型ロケット(KSR-Ⅲ)の試験飛行に成功した後、宇宙発射体開発を模索し始めた。その時、宇宙技術後発国の韓国に技術協力をするパートナーを探しに出たがロシアだけが関心を示したという。イ・ジュジン航宇研院長は「米国も日本も誰も我々の宇宙発射体事業に協力するとは言わなかったがロシアだけが出てきて、のがすには惜しい貴重な機会だった」と話した。当時ロシアの宇宙開発企業フルニチェフはアンガラ発射体の開発費用問題で困難に見舞われていたことが分かった。

以後、韓-ロシア技術協力は順次わが方に不利な条件に変わっていったが、テポドン ミサイルなど北韓の発射体開発を意識し急いで発射体技術を習得しようとした韓国はこういう状況に引きずられて行くほかはなかった。

だが研究者たちはナロ号事業で相当な宇宙技術を習得したと話す。パク・ジョンジュ航宇研発射体系事業団長は「1段ロケット技術を習うことはできなかったが、発射体をすべて組み立てシステムを管理し発射台を運営する技術を確保した」として「少ない開発人材と少ない試行錯誤費用で得た結実」という点を強調した。最近に入り政府と航宇研でもナロ号発射の意味を‘宇宙技術自立’ではなく、その‘入り口’程度に下げる雰囲気も感知される。航宇研関係者は「私たちの技術陣が本当に行いたいのは純粋にわが国の技術で作る2018年韓国宇宙発射体2号(KSLV-Ⅱ)」と話した。

■ “アンガラ試験舞台”冷笑も
ナロ号に用意されたロシア1段ロケットは今まで公式飛行試験をしたことがない。ロシアはソユーズ・プロトンなど既存発射体を95%ほどの成功率で打ち上げてきたが、ナロ号は新型ロケットの初発射という点で成功率を予想するのが難しい状況だ。チャン・ヨングン航空大教授は「設計信頼度で見れば90%以上の成功率を目標に設計されたが、実際の飛行信頼度は別問題」として「発射前歴がなく飛行信頼度がどの程度か付けにくい」と話した。タク教授は「発射に失敗すれば国際的恥さらしなのでロシアも今回のナロ号発射については非常に緊張しているだろう」と話した。

実際にナロ号は国際社会で‘韓国初の宇宙発射体’と‘アンガラの試験発射’という二つの意味で注目されている。米国航空宇宙関連ディベートルーム(forum.nasaspaceflight.com)では冷笑の混じった評価も出てきている。一部では「ロシアが自分の費用をかけずにアンガラを韓国で試験発射しようとしている」と皮肉った。宇宙発射技術の凝縮された経験を得ようとする韓国と、‘アンガラ完成’のためにナロ号を活用しようとするロシアのランデブーが両国にどんな損益計算書を投げかけるか国際社会の関心事だ。

オ・チョルウ記者cheolwoo@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/science/scienceskill/370804.html 訳J.S