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[記者手帳]日本のためのプレミア12

登録:2015-11-09 23:42 修正:2015-11-17 04:17
8日夜、北海道の札幌ドームで開かれた2015プレミア12、韓国と日本の開幕競技で韓国に5対0で勝利した日本選手たちが勝利を祝っている=ニューシス

 小久保裕紀・日本代表チーム監督は断言した。「プレミア12大会が今後成功するには日本が優勝しなければならない。 韓国も良い成績をおさめることを願うが、日本が1位になり大会が一層成長して欲しい」。プレミア12の開幕前から彼の優勝への意志は非常に強く見えた。 それにしてもなぜ日本が優勝しなければプレミア12は今後成功できないというのだろうか。

 プレミア12は野球のオリンピック正式種目再進入のために創設された大会だ。次の大会(2019年)はオリンピック予選の性格で行われる予定だ。 世界野球クラシック(WBC、2006年開始)がメジャーリーグの事務局主導でなされるのとは異なり、プレミア12は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主管する。 当面2020年の東京オリンピック正式種目採択を狙っているので、日本が最も意欲的に取り組んでいる。 日本はこれまで収益金の配分問題などで世界野球クラシックに強い不満があった。「他人に苦労はさせておき、利益はちゃっかり持って行かれる」という意識が強かった。

 “オリンピック再進入”という大義名分のためなのか、韓国や台湾も日本を応援して大会に協力しよくやっている。特に韓国は2008年北京オリンピックでの金メダルの後光により国内リーグ興行が始まったので一層積極的だ。 大会参加に先立ちキム・インシク韓国代表チーム監督は「今大会を通じて野球がオリンピック種目として再進入することを希望する。 最高の選手たちを派遣してプレミア12の地位を高める」とも話した。 韓国内にいる外国人選手たちの大会参加も促した。 だが、ケガのリスク等でメジャーリーグ事務局が40人枠に含まれる選手たちの大会参加を許可せず、プレミア12は片肺の大会に転落してしまった。 自国リーグの最高の選手たちで構成された韓国、日本、台湾を除いて、残りの国家はトリプルA、あるいはダブルA級の選手たちで代表チームが構成された。

 大会の日程は徹底的に日本中心だ。 開幕戦は準決勝と決勝戦が行われる東京ドームではなく札幌ドームで行われた。 残りの組別予選競技と8強戦は、気候の暖かい台湾で行われる。札幌ドームでは韓日戦のみだった。 韓国野球委員会(KBO)関係者は、「日本国内の野球興行を考慮して札幌ドームで開催された」と言ったが、この過程で韓国選手だけが言われ無き被害を受けた。 日本の選手たちは日本から台湾に移動するだけだが、韓国は日本を経て台湾へ行かなければならないためだ。 札幌ドームの事情から適応訓練もできないままに開幕戦を行った。 日本はプエルトリコとの二回の評価試合を福岡ヤフードームで行った。 日本国内の興行が計算された日程だという。

キム・ヤンヒ記者//ハンギョレ新聞社

 B組日程を見てもそうだ。 韓国は11日午後7時、ドミニカ共和国と組別予選2次戦を行った後、翌日(12日)午後1時にベネズエラと競技しなければならない。 アメリカも同じだ。 10日午後7時にドミニカ共和国を相手にして、11日午後1時にはベネズエラを相手にする。 ナイター競技をした後、直ちに昼間に競技をおこなうので、コンディション調節は極めて難しい。 だが、日本の組別予選は全て午後7時からの競技になっている。 8日に日本ではなく台湾で開幕戦を行っていたならば、組別予選の日程に余裕ができただろう。 いくら東京オリンピックのためのショーケースの性格が濃厚だとしても、日本の、日本による、日本のための“プレミア12”はひどすぎる。 韓国がその脇役にされたようで苦々しいばかりだ。

札幌/キム・ヤンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/sports/baseball/716554.html 韓国語原文入力:2015-11-09 19:22
訳J.S(1708字)