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平和の島に…カトリックが独島で初の公式ミサ

登録:2015-08-17 23:25 修正:2015-08-18 06:54
 鬱陵島道洞聖堂司祭など約60人が参加
 光復70周年を記念し殉国烈士を追悼
 2009年「独島を守る聖母像」献呈
 「真の平和は正義の実現から」
17日、独島で鬱陵島道洞聖堂主任のソン・ソンホ神父がミサを執り行っている。道洞聖堂の司祭と修道女、信者など約60人が参加したこのミサは、独島で行われたカトリック初の公式ミサだ=チョ・ヒョン宗教専門記者//ハンギョレ新聞社

 カトリック大邱(テグ)大教区道洞(トドン)聖堂は17日、韓国の東海の最東端の島である独島(日本名・竹島)で「光復70周年、殉国烈士追悼と平和守護のための独島ミサ」をささげた。カトリックが独島で公式ミサを行ったのは今回が初めてだ。

 鬱陵島(ウルルンド)道洞聖堂の司祭と修道女、信者をはじめとする約60人この日の朝、鬱陵島沙洞(サドン)港を出発して「独島平和号」の中で約2時間、独島ミサが無事に行われることを願って、ロザリオの祈りを唱えた。独島に向かう船の8割が接岸できず戻ってくるほどの高い波は、信者の願い通りに穏やかだった。ミサ台は東島(トンド)の船着場の隣に用意された。独島が平和の島になることを願う祈りと賛美歌が響き渡った。ミサで道洞聖堂の主任であるソン・ソンホ神父は「誰が何と言っても独島は独島」とし「独島が世界平和の中心となる日まで、独島を守る聖母様と一緒に祈り続ける」と述べた。ソン神父はまた「真の平和は、正義の実現によって成し遂げられるもので、正義とはそれぞれのものをそれぞれのもとに返すことから始まるため、不当な搾取や抑圧は平和の破壊につながり、人権の蹂躙は絶対平和と両立できない」とし「この地に正義が完全に実現される日まで、祈らなければならない」と付け加えた。

 世界中の聖堂を区域別に明確に分けているカトリックで、独島は大邱大教区道洞聖堂の管轄だ。また道洞聖堂は、独島側の海が見渡せる聖堂の敷地内の丘の上に、2009年「独島を守る聖母像」を献呈した。光復(解放)節の8月15日はカトリックで聖母昇天大祝日でもあり、道洞聖堂は2009年から毎年8月15日に「独島を守る聖母様の日」の行事を開催してきた。光復70周年の今月15日にも信者が集まって「独島を守る聖母像」までロザリオの祈りを唱える行事を開いた。

 道洞大聖堂のチョ・ボクソク司牧会長(63)は「『独島を守る聖母像』を献呈した聖堂の信者たちが、団結して独島を守る意志を集めるために、独島ミサをあげることになった」と述べた。ソン神父は「道洞聖堂に赴任した3年前から独島ミサを行う計画を立てたが、やっと実現した」とし「来年からは聖母聖月であり、天気もいい5月に、独島のミサを定期的にあげるつもりだ」と述べた。

 カトリックは世界中に進出しており、通常、国家的紛争に介入しないが、独島の場合、鬱陵島道洞聖堂の管轄区域であるだけでなく、歴史的にも疑いの余地がない韓国の領土であることから、ミサをあげた点で意味がある。

 キム・スファン枢機卿も1996年4月23日、独島を訪問しツバキを記念植樹し、灯台の横に太極旗(韓国国旗)を型取った石刻画を設置する敷地を祝福した。特に韓国人初の司祭であるキム・デゴン神父が、中国のフランスの神父たちに朝鮮への入国経路を知らせるために制作した「朝鮮全図」に、鬱陵島と一緒に独島を明記して、独島が韓国の領土であることは明らかにした。「朝鮮全図」は、独島をローマ字で「オウサン」(Ousan)と表記した。独島は朝鮮後期の1881年(高宗18年)から「独島」と呼ばれ、以前は三峰島(サムボンド)、于山島(ウサンド)、可支島(カジド)などと呼ばれたという。

 キム神父はこの地図を中国人漁師に渡した後、逮捕され、1846年に殉教したが、地図は北京のフランス領事のド・モンニーに伝わり、1849年にフランスに渡った。地図は1851年にフランス国立図書館に寄贈され、1855年にフランスのリヨン『地理学会報』に縮小収録されてから、6カ国語に翻訳され、西洋に広く知れ渡った。

 それからも第6代朝鮮教区長のリーデル司教(1830〜1884)は、1869年「韓中日の地図」を製作する際、この地図を参照して独島を明記し、ダレ神父(1829〜1878)も1874年に地図を補完して製作した自分の「朝鮮地図」に独島を朝鮮領として表記した。「朝鮮全図」はチェ・ソクウ・モンシニョル(1922〜2009、当時の韓国教会史研究所所長)が1978年、パリの国立図書館で見つけたことでその存在が知られた。

 韓国カトリック司教会議は「独島の正確な位置と名称を西洋世界に知らしめた最初の地図であるキム・デゴンの『朝鮮全図』は、独島が韓国固有の領土であることが既に19世紀半ばに西洋に広く知らしめており、日本もその事実を知っていたことを立証してくれる資料」とし「キム・ジョンホの『大東輿地図』が出る136年前に、イエズス会のデュ・アルド神父(1674〜1743)が1735年に製作した『中国通史』に、フランスの地図学者ダンビルがその年に描いた「朝鮮王国全図」が出てくるが、この地図には独島はもちろん、間島(カンド)まで朝鮮の領土とされている」と明らかにした。

独島/チョ・ヒョン宗教専門記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-17 18:56

https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/704778.html  訳H.J

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