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[社説]切捨ての一斉試験に政府は固執するのか

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/539656.html記事登録:2012/06/26 19:12(1337字)
 今年の学業達成度評価が昨日、小(6年)・中(3年)・高(2年)の180万人余りを対象にいっせいに行われた。今回も教育科学技術部が拒否した教員に対する懲戒を表明している中で、教師と父母の団体は一斉試験の反教育性を訴え、一部の生徒はデメリットを覚悟して試験を拒否した。反省や対話を放棄した李明博政府の教科部が招いた、今日の我々の教育の混乱した有様だ。  今年がこの政府の最後の年だ。今や次の政府のためにも一斉試験の問題点を客観的に評価、点検する時にもなった。172ヶ国、402カ所の教育団体が加入している国際教育連盟(EI)が特に韓国の一斉試験を皮肉って、強い憂慮と遺憾を表明した、数日前の声明によらずとも、それだけの原因はたくさんある。連盟は3月にも世界教職首脳会議に性格・社会性・芸術性などの質的な面を無視して、ひたすら量的数値で教育と学習を評価する一斉試験の問題点を指摘した報告書を提出したことがある。どんな評価にしても学生と教師の発展に寄与するべきで、懲罰と烙印のためであってはならないというのがその内容だった。
 私たちの評価体系はこの忠告に真っ向から逆らっている。 一斉試験は学生から教師、学校、地域教育庁、市・道教育庁に至るまですべての教育の主体を一列に線引きする。それによって、単位式の学校は成績を上げるのに余念がなく、国が定めた教育過程を捻じ曲げて、生徒の学習権、教師の授業権を侵害する。1,2ヵ月前はもちろん、ひどくは学期初めから一斉試験対策の問題を解くことに専念する学校もある。校長が教師と生徒にやり気を出させるために商品券を飴にするかと思えば、従わない学生には一ヶ月間のトイレ掃除という懲罰を加える場合もある。学校が一斉試験の塾になってしまったわけだ。学生に本来重要な創意的な自主的学習の力量や協同的な問題解決能力を育てる余地は消えた。
 さらに深刻なのは成績の悪い学生に対する烙印だ。一部非常識な教師たちは "私たちのクラスに○○だけいなかったら良いのに" という話をはばからないという。自尊心が踏みにじられた被害生徒は一生背負って生きなければならない恥辱感と心の傷を考えれば身の毛のよだつ思いだ。教科部もこういうものを教育とは考えないだろう。
 国際学業達成度評価(PISA)は、未来社会の中核技術として、批判的思考力、協同的問題解決能力、科学の社会的責任、環境感受性を挙げる。今後、評価にこのような項目を入れるという。一斉試験によって捻じ曲げられた我々の学校教育では到底望めない資質だ。教科部が我を張る限り、私達の子供たちの未来は暗くならざるをえない。
原文: 訳T.W