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差別と闘う在日活動家、辛淑玉の『ホルモン』…「一人だと感じている人に見てほしい」

登録:2026-11-06 10:27 修正:2026-11-06 14:21
自身の人生と闘いを描いたドキュメンタリー映画『ホルモン』の公開を控え、2日午後、ソウル市麻浦区の弘益大学近くでハンギョレの取材に応じた在日朝鮮人人権活動家の辛淑玉さん=チョン・ヨンイル先任記者//ハンギョレ新聞社

 「事業だけに専念していれば、今ごろ銀座にビルを10棟は持っていたでしょうに、人権活動家になったばかりに失敗しました。ハハハ」

 自分を失敗者だと語る辛淑玉(シン・スゴ)さん(67)の顔には、明るい笑みがあふれていた。在日朝鮮人3世として東京で生まれた彼女は、差別と貧しさに苦しんだ幼少期を過ごした後、若くして事業で大きな成功を収めた。しかし、突然事業を畳み、闘士となった。気品と優雅さを備えた闘士、辛淑玉さんを描いたドキュメンタリー映画『ホルモン』(イ・イルハ監督)の主人公である彼女は、11日の公開を前に韓国を訪れた。2日、ソウル市麻浦区のシェア会議室で話を聞いた。

ドキュメンタリー映画『ホルモン』=アットナインフィルム提供//ハンギョレ新聞社

 「在日朝鮮人が就職することも難しかった時代ですから、高校を卒業した時は自暴自棄になっていました。運よくモデルの仕事をするようになり、その後、事業を始めました。企業の採用で性差別が蔓延していた時代に、優秀な女性たちを集めて成果を上げ、女性人材育成会社を立ち上げて大きな成功を収めたんです。ちょうど男女雇用機会均等法が成立した直後で、企業から女性人材への需要が相次いでいた時期でした」

 女性のための自己啓発書を何冊も出版するほどの著名人となり、事業が成功のピークに達しようとしていた2000年4月のことだった。「その日も忙しく銀行員の研修をしていたところ、毎日新聞の記者から連絡があったんです。『今日の石原(都知事)発言をどう思いますか』と聞かれたんです」。記事を見た辛さんは凍りついた。陸上自衛隊創設記念式典で、当時の東京都知事だった石原慎太郎氏が、第二次大戦後に日本に暮らした韓国人や中国人を蔑視する表現として使われていた「三国人」という言葉を口にしたのだ。辛さんは、祖母が生涯悪夢にうなされていた1923年の関東大震災における朝鮮人虐殺を思い起こした。「けんかを売られたような気がしました。ここで声を上げなければ、一生闘えないと思ったんです。それで集会に参加し、石原に謝罪を求めました。その直後、企業からの依頼が潮が引くように消えていきました。銀座のビルが一瞬にしてなくなったんです(笑)」

ドキュメンタリー映画『ホルモン』=アットナインフィルム提供//ハンギョレ新聞社

ドキュメンタリー映画『ホルモン』=アットナインフィルム提供//ハンギョレ新聞社

 その後、辛さんは在日コリアンだけでなく、アイヌなど日本国内のほかの少数民族や外国からの移住民、障害者など、社会的弱者に対する差別や暴力がある場所ならどこへでも足を運び、共に声を上げるようになった。日本で右翼集会やヘイトスピーチが増えていた2013年には、差別を乗り越えるという意味を込めた「のりこえねっと」を設立した。

 映画『ホルモン』で大きく取り上げられている、日本の企業DHCとの訴訟は、辛さんの人生と日本におけるヘイトとの闘いの歴史に一つの節目となった出来事だ。2017年、同社が運営するテレビチャンネルの番組「ニュース女子」で、辛さんに関する虚偽の事実が放送された。男性が女性に時事問題の知識を教えるというコンセプトのこの番組は、沖縄の米軍基地建設反対運動を取り上げ、辛淑玉さんが北朝鮮から資金を受け取り、運動を支援していると主張。その後、執拗な嫌がらせが始まった。文字通り命の危険を感じてドイツに避難したが、「私のせいで沖縄の平和運動まで被害を受けるのは耐えられなかった」。辛さんは日本に戻り、闘いを始めた。2018年には日本の放送倫理・番組向上機構(BPO)が人権侵害を認定し、正式な謝罪を受けた。その後、名誉毀損による損害賠償訴訟を起こし、2023年に550万円の賠償を命じる判決が確定し、勝訴した。これを通じて極右的な企業の実態が明らかになり、評判を大きく落としたDHCテレビは正式に解散。DHCコリアも韓国から撤退した。映画では、どんな脅迫や暴言を浴びても余裕のある笑顔と揺るぎない口調を失わなかった辛さんが、最終判決を知らせる電話を受けた後、長い間こらえていた涙を流す。

ドキュメンタリー映画『ホルモン』=アットナインフィルム提供//ハンギョレ新聞社

 辛さんの勝利は日本社会の右傾化に歯止めをかけたが、個人的な生活が楽になったわけではない。「訴訟を通じて、私はヘイトの『ランドマーク』になりました。今も自宅の前を、マスクをした人たちが運転する車がうろつき、ごみが捨てられていたり、脅迫メールが届いたりします。でも、これは私が引き受けなければならない課題です。それよりも心配なのは、差別がさらに深刻化し、巧妙になっている現実です」

 「特別な哲学や思想があるわけではなく、私を必要としている人たちのために、自分にできることをしているだけ」と、自らの闘いを謙虚に語る辛淑玉さんが映画の観客に伝えたいことも、差別やヘイトの撤廃といったことではない。「今置かれている状況がつらく、孤独かもしれません。でも、周りを見渡せば、似たような境遇の人が必ずいます。手を挙げて助けを求めれば、問題の解決に向けて一歩踏み出すことができます。自分は一人だと感じている人に、ぜひこの映画を見てほしい」

キム・ウンヒョン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1285960.html韓国語原文入力:2026-11-05 20:07
訳C.M

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