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韓国「ホルムズ海峡派兵」ジレンマ…「迂回的な派兵を」「侵略戦争に加担ならぬ」

登録:2026-09-07 03:10 修正:2026-09-07 08:59
李在明大統領が4日、大統領府で開催された市民社会団体招請懇談会であいさつしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓国大統領府が「軍事的貢献策を含む実質的な貢献策を検討している」と述べ、ホルムズ海峡への派兵に言及したことで、この問題が韓米同盟と国内政治に及ぼす影響が強まる兆しが見られる。市民団体を中心に「侵略戦争反対」の声も高まっている。

 政府は米国のトランプ大統領の相次ぐ圧力の中、韓米関係を改善するためにホルムズ海峡への派兵に苦心している。大統領府の高官は4日、「朝鮮半島の準備態勢に大きな支障をきたさない範囲内で動けると考えている」と語った。

 トランプ大統領は先月30日、韓国に言及しつつ、「『イランに関して少しだけでも助けもらえないか』と言ったら、彼らは『やらない方がいい』と答えた。覚えておくつもりだ」と述べた。同氏は4日(韓国時間)にも、自身のSNSに「韓国はウクライナに防空ミサイル『天弓-2』を売るべきだ」と主張するコラムを投稿している。同日、米政府の高官は韓国のホルムズ海峡派兵検討についてメディアに問われ、「韓国は中東の原油の最大の顧客の一つ」だとして、「我々は依然として韓国がこの地域に資源を展開するのを待っている状況」だと述べている。韓国に対して全方位的な圧力を加えているのだ。

 韓米首脳会談のファクトシートで合意された韓国による対米投資が遅れている中、米国の不満が募り、ウラン濃縮、使用済み核燃料の再処理、原子力潜水艦をめぐる協議などには進展が見られない。さらにクーパン問題をはじめとする悪材料が加わる中、トランプ大統領が朝米対話の再開を推進していることで、韓国が「パッシング(疎外)」される可能性に対する懸念も高まっている。

政府はホルムズ海峡に海軍の海上哨戒機などの軍事資産を派遣することを検討しているという。写真は2024年の第76周年国軍の日メディアデーのリハーサルで飛行する海上哨戒機。哨戒機は海上偵察のみを行い戦闘は行わない航空機ではなく、水中の潜水艦や海上の艦艇を攻撃する魚雷や対艦ミサイルで武装しており、必要に応じて攻撃も行うため「潜水艦キラー」と呼ばれる/聯合ニュース

 安全保障に関する国策研究機関の研究者は「現在の韓米関係において、ホルムズ海峡に関して韓国は何もしないわけにはいかない」とし、「アデン湾に派遣されている清海部隊の戦力をホルムズ海峡の自由航行にも貢献させる方策など、『迂回(うかい)的な派兵』も検討すべきだ」と述べた。

 政府は、ソマリア海域で海賊対策にあたる清海部隊の作戦区域をホルムズ海峡から遠くないオマーンの公海にまで拡大することや、海軍の海上哨戒機、軍需支援艦、爆発物処理(EOD)などの非戦闘資産を投入することなどを多角的に検討しているという。

 この研究者は「対米投資も合理的な内容を探して迅速に発表し、ホルムズ問題についても最も安全な『貢献』策を探り、朝米会談の過程でも韓国の要求がきちんと反映されるよう、国家安保室(NSC)はコントロールタワーの役割を果たすべきだ」とし、「この三拍子がそろわなければ、政府は大きな負担を抱えながら派兵するだけになり、肝心の成果は上げられずに危機に直面する恐れがある」と懸念を示した。

 しかし、ホルムズ海峡への派兵は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代のイラク派兵と同様、支持層の激しい反発と分裂を招く恐れがある。李在明(イ・ジェミョン)大統領の支持率低下が加速する可能性もある。

先月19日、「侵略戦争糾弾、派兵反対平和行動」が大統領府前で、ホルムズ海峡での軍事的貢献を迫る米国の圧力を跳ね返し、派兵議論を即時中止するよう求める市民社会団体緊急記者会見を行っている=参与連帯のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 実際に、市民社会団体ではホルムズ海峡への派兵に反対する声が高まっている。

 市民団体「参与連帯」は4日の論評で、「ホルムズ海峡への派兵は明らかに侵略戦争に加担するもの」だとして、「いかなるかたちであれ派兵してはならない」と主張。「経済正義実践市民連合」も同日の論評で、「中東の軍事的対立にかかわりつつ、朝鮮半島では対話と緊張緩和を求めるならば、韓国の平和政策の一貫性と説得力も弱まらざるを得ない」と指摘している。文在寅(ムン・ジェイン)元大統領は著書『運命 文在寅自伝』で、「進歩陣営が参与政府(盧武鉉政権)に背を向けた最初のきっかけはイラク派兵だっただろう」と記している。

 与党内からも派兵反対の声が上がっている。イ・ギホン議員は4日、フェイスブックに「米国が引き起こし、泥沼に陥った先の見えない戦争に、韓国の国民と軍を追いこむことはできない」と書いている。祖国革新党と進歩党も派兵反対の立場を明らかにしている。

 国防部の元当局者は「イラク派兵の際も国内の反発が激しかったが、イラン戦争はあの時よりも大義名分の弱い戦争」だと述べた。この当局者は「イラク派兵当時、国益の面でイラクとの関係は考慮する必要がなかったが、イランは今後もホルムズ海峡の通行に対する統制力を維持すると思われる。韓国船舶がホルムズ海峡を通過する際にはイランとの関係を考慮せざるを得ない」と語った。このような中、レバノンの親イラン武装勢力ヒズボラ系のメディア「アル・マヤディーン」は4日(現地時間)、イランの安全保障・政治部門の高官が「韓国がホルムズ海峡に派兵するなら、米国とイスラエルの『侵略』にかかわるものとみなし、座視しない」と述べたと報じた。

 李在明大統領は苦慮している。李大統領は4日に大統領府で開催された市民社会団体との懇談会で、ある参加者がホルムズ海峡への派兵問題に懸念を示したところ、「決まっていることはない」として、「深く悩んでいる」と語った。派遣問題に詳しい外交筋は「破算してしまったが、6月に米国とイランとの間で終戦覚書(MOU)が交わされた後、ホルムズ情勢の安定化にどのように貢献できるかという問題が以前より具体的に検討され、準備も進んでいた」として、「派兵が決定したとか、批准同意案の提出が差し迫っているとかいうことは、まったくない」と語った。

クォン・ヒョクチョル、パク・ミンヒ、シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1276512.html韓国語原文入力:2026-09-06 20:04
訳D.K

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