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米軍事力の象徴「空母」厄介者に…頻繁な故障、補給も難航

登録:2026-08-16 23:21 修正:2026-08-17 07:27
米空母エイブラハム・リンカーンが2021年1月3日、作戦に参加するため母港サンディエゴ港を出港する際、乗組員が艦上に整列している/AP・聯合ニュース

 米国の圧倒的な軍事力の象徴である航空母艦の危機が深まっている。イラン戦争で中東に派遣された空母は相次ぐ故障、作戦の長期化などによる補給問題や孤立などで物資不足に苦しんでいるうえ、その有効性にも根本的な疑問が呈されている。

 イラン戦争に投入された米国の原子力空母エイブラハム・リンカーンは派遣の長期化に伴い、乗組員のメンタルヘルス上のリスクや補給の問題が生じており、米国の空母運用が危機に陥っている。米メディアの12日の報道によると、6日にサンディエゴで開催されたリンカーンの乗組員の家族懇談会で、一部の乗務員が海に飛び込もうとしていたことが明らかになった。ある乗組員の妻が、夫が相次ぐ派遣延長に疲れ果て、海に飛び込もうとしたと明かしたのだ。

 5000人の兵士が乗船するリンカーンは、昨年11月21日にサンディエゴを出航し、12月にグアムへ短時間寄港したことを除けば、長期にわたる海上作戦を実施し続けている。8月中旬時点で250日以上も作戦配備されており、米空母の近代史において未停泊航海の最長記録を樹立している。リンカーンは今年5月に米本土へ帰還する予定だったが、代替の空母が見つからなかった。イラン戦争の勃発とともに中東に派遣された最新かつ最大の空母ジェラルド・フォードは、艦内のトイレの故障や火災などにより帰還した。代わって空母ジョージ・H・W・ブッシュが3月末に母港ノーフォーク基地を出航し、現在アラビア海でリンカーンを支援している。

 リンカーンなどの米空母は、戦争の過程でバーレーンの第5艦隊基地などの中東全域の米軍基地がイランに攻撃されて無力化、あるいは将兵が疎開したことで、近くの寄港地を失った。そのため海上での作戦展開が長期化し、乗組員の疲労、補給の支障、各種の故障に悩まされている。

 リンカーンの疲労蓄積が問題となったため、それに代えて米国防総省は空母ジョージ・ワシントンを派遣することを決定したという。問題は、ジョージ・ワシントンはアジア太平洋に配備されている米国唯一の空母であるため、当面、同地域に空白が生じることは避けられないということだ。ニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルなどは15日、ジョージ・ワシントンのイラン戦争派遣によってアジア太平洋地域での米国の準備態勢がぜい弱になる、アジア太平洋地域重視という米国の対外政策は虚構である、と批判的に報じている。

 米国の空母戦力は限界に達しているという根本的な指摘もなされている。米国の11隻の空母のうち、作戦に配備されているのは現在中東に派遣されている3隻のみ。セオドア・ルースベルトは次の配備に備えており、ドワイト・アイゼンハワーは訓練・待機中だ。ジェラルド・フォードは修理中で、ジョン・ステニスとハリー・トルーマンは長期整備や寿命延長の工程にあるなどで作戦から除外されている。ニミッツは2025年に退役予定だったものの、空母不足のため退役が2027年3月に延期されている。ロナルド・レーガンは母港で17カ月間にわたる長期整備の過程にある。カール・ビンソンはカリフォルニア近海で訓練に当たるなど、待機戦力の位置付けだ。

 大型の軍艦は整備が必要不可欠だ。米国には空母専用の造船所がわずか2カ所しかないため整備にボトルネックが生じており、実戦配備される空母は年々減少している。米空母のこのような惨状は、米国の造船産業の衰退と空洞化が招いたものだ。

 何よりも、イランの安価なドローンやミサイルによる攻撃を防ぐために高価な高度精密誘導兵器を使用する空母は、存在そのものが効率が悪く、リスクばかりが大きいと評される。イラン戦争においてリンカーンは、イランの射程を脱するため、700~1000キロ離れたアラビア海で作戦を展開している。

 クインシー研究所でシニア・リサーチ・フェローを務めるマイケル・スウェイン氏は、戦争の様相が急変する中、今後の空母の必要性について疑問を呈した。同氏はAPに対し、中国のような敵対国にとってドローンやミサイルを使った空母に対する攻撃は徐々に容易になっている一方で、小型艦や潜水艦も空母の艦載機に劣らず効果的に目標を攻撃できると説明した。

 米海軍の首脳部も、空母への過度な依存から脱却したいとの考えをほのめかしてきた。ダリル・コードル海軍作戦部長はAPに、大型空母ばかりに依存し続けるのではなく、小型で進化した艦艇やその他の戦力を用いるよう説得したいと述べている。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1273124.html韓国語原文入力:2026-08-16 16:25
訳D.K

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