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嘲笑とヘイトに浸食された韓国高校野球、スポーツは何を失ったのか

登録:2026-07-04 08:43 修正:2026-07-04 10:56
29日、ソウル陽川区の木洞球場で開催された全国高校野球選手権大会で、応援している培材高校の生徒たち=オンラインコミュニティーより//ハンギョレ新聞社

 高校野球は韓国野球のルーツだ。アマチュアのグラウンドはチームのために犠牲になること、敗北を受け入れること、そして相手を尊重することを学ぶ場だ。だからこそ、先月29日に木洞(モクトン)球場で行われた青龍旗全国高校野球選手権大会での出来事はより苦々しいものとなった。

 培材高校の選手たちはこの日、光州第一高校に向かって「行かなきゃ、行かなきゃ、スターバックス行かなきゃ」と叫び、続けて「タンクデー」というコールを繰り返した。単なる神経戦や応援だとはみなしがたい場面だった。特定の地域や5・18光州民主化運動をからかう表現が、ベンチから公然と響き渡ったのだ。オンライン上で消費されていたヘイト表現が、学校スポーツの現場にまで広がっていることを示したのだ。

 大韓野球ソフトボール協会(KBSA)は1日、スポーツ公正委員会を開催し、培材高校に対して全国大会への6カ月の出場停止、次の試合(2日の順天暁天高BC戦)での不戦敗を決定した。培材高校が今年参加する全国大会は鳳凰大旗(8月)しか残されていないが、高校生選手にとって6カ月は決して短くはない。プロや大学進学を目指す選手にも少なからぬ影響を及ぼしうる。にもかかわらず協会は、スポーツが守るべき最低限の基準を確立することの方が重要だと判断したのだ。

 今回の懲戒の持つ意味は、処罰の重さだけでは説明できない。学校スポーツの現場では、昔から相手の気をくじくための嘲笑的な応援がしばしば見られた。特定地域を揶揄(やゆ)する歌を歌ったり、学校を標的とした野次を浴びせたりといったことが「神経戦」や「心理戦」、そして「応援文化」という名の下に許されてきた。審判が制裁を加えることもあったが、一時的なものにとどまっていた。これらの行為で退場や出張停止などの懲戒が下された際に、逆に保護者から苦情が入ることもあったという。

 協会は再発防止に向けた制度の補完に着手した。今後は相手を侮辱したり、歴史や地域を嘲笑したりする応援行為を禁止することを試合前に告げることを義務付けるとともに、類似の例にはより厳正に対応することを決めた。今回の懲戒は培材高校のみを対象としたものではなく、学校スポーツにおける嘲笑やヘイトはもはや応援として容認しないという基準を最初に確立したものだということに意義がある。相手の歴史や傷を標的とした言葉は応援とはみなしがたい。相手をおとしめればおとしめるほど、自らの得た勝利の価値も低くなることを知るべきだ。

 野球は相手がいてはじめて存在しうる競技だ。好敵手がいる時、良い試合も生まれる。光州一高はソン・ドンヨルやイ・ジョンボムら韓国野球を代表する選手を育ててきた名門であり、韓国現代史の痛みを記憶する学校だ。だからこそ、今回のコールは単なる神経戦ではなく、歴史と共同体に対する感受性の問題として受け止められたのだ。

 今回の事件を一部の高校生の逸脱にすぎないと考えることはできない。ヘイト表現は、ある日突然作られるものではない。オンライン空間では地域蔑視や歴史歪曲が遊びのように消費されており、相手を嘲笑する言葉が笑いの種のように流通している。公的な場でも同様だ。学校スポーツもまた、そのような社会の影響を避けることはできないだろう。子どもたちは社会が示す言葉を学び、大人の文化を真似するものだからだ。

 一部からは、培材高校野球部は廃部すべきだとの声もあがっている。しかし、廃部は教育ではない。培材高校野球部は1911年に創部された、長い歴史を持つチームだ。アマチュアの最高打者に贈られる「イ・ヨンミン打撃賞」のイ・ヨンミンが通った学校でもある。今回の出来事が歴史の汚点となることは明らかだ。しかし、歴史を終わらせることは解決策にはなりえない。責任は明確に問うものの、その責任の上で改めて教えれば済む。それが教育の役割だ。

 歴史教育、人権教育、スポーツマンシップ教育は、競技力とは無関係な付随的な過程ではない。剛速球を投げたり大型ホームランを打ったりすることと同じくらい重要なのは、共同体の中で競争する術を学ぶことだ。相手を思いやり、尊重する術を学ばなければ、勝利も完全な意味を持つことはできない。

 今回の懲戒により、記録には不戦敗が残る。しかし、より長く残るべき記録は別にある。学校スポーツが初めて「相手に対する嘲笑は応援ではない」という明確な線を引いたことだ。培材高校野球部の止まった6カ月が処罰の時間にとどまらず、なぜ相手を尊重しなければならないのかを学び直す時間になることを願っている。それが今回の事件の残すべき最も価値ある記録であるはずだ。

キム・ヤンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1266342.html韓国語原文入力:2026-07-02 09:14
訳D.K

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