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24時間稼働する無人の自動運転掘削機…「合法的な」無限労働機械の登場

登録:2026-06-05 09:22 修正:2026-06-05 11:08
バーチャル・トレーニングセンターで人工知能(AI)ベースの無人自動運転掘削機ソリューション「リアル-エックス」を訓練している様子=HD現代のユーチューブチャンネルより//ハンギョレ新聞社

 先月29日(現地時間)、スイスのトゥッゲンにある採石場の跡地。韓国のHD建設機械の22トンの中型掘削機(ディベロンDX225LC)が山のふもとに溝を掘っていた。土砂崩れを防ぐために岩石を埋める作業だ。運転席には作業員がいない。周囲には遠隔操作している人物も見えない。

 長さ300メートル、幅6メートル、深さ3メートルの溝を掘る任務が与えられると、運転席の屋根に取り付けられたカメラとレーザーレーダーが周囲の地形の360度3Dスキャンを開始。最適なルートを選んで移動し、図面と実際の地形の違いを把握してどこをどれだけ掘るかを決定し、土を掘る。

 現地の建設企業「キバグ(KIBAG)」に所属する現場監督は、作業の速度と完成度に満足している様子だ。ドイツの土木・建設専門メディアは「熟練労働者の不足が深刻化する中で、土木工事や積み込み作業の効率を高める自動機械は魅力的な投資対象」だと語った。HD建設機械は「人間の作業者であれば避けられない疲労の蓄積や集中力の低下から解放されるため、有人運転に比べて生産性を120%上げることができる」と述べた。

 無人自動運転掘削が可能なのは、人工知能(AI)ベースの無人自動運転化ソリューション「リアル-エックス(Real-X)」を搭載しているからだ。作業地形を確認して位置を決め、掘削機の腕と手の役割を果たすブーム、アーム、バケットの角度と力を精密に制御し、最適な経路をたどって掘削する。

 リアル-エックスの開発にかかわったHD現代サイトソリューションAI融合センターのチャン・ゲボン主席研究員は、スイスの現場で実証作業を見守った。チャン主席研究員はハンギョレに「掘削機は様々な作業を遂行する建設機械。排水路の作業では地面を掘るだけでなく、配管も運ぶ。岩石に出会ったら石を砕かなければならない。このような自動運転作業を一つひとつ開発している。現在は、地面を掘るディギング、トラックに積んだり特定の位置に運んだりするダンピングの技術の開発に集中している」と語った。

 ヒューマノイドのアトラスが世界を驚かせた今年1月の米国のイベント「CES」では、AIと組み合わせた建設機械も大きな関心を集めた。米国の建設機械メーカー「キャタピラー」が開発した自動運転トラックは、世界中の採石場や鉱山で700台以上が休むことなく稼働しているという。米国の一部の作業場では、100トン級の自動運転トラックが交代することなく24時間働いている。極寒や猛暑も問題にならない。同社は自動走行が可能な掘削機、ブルドーザー、ローダーなども公開したが、掘削などの複雑な無人自動運転機能の商用化には至っていない。

バーチャル・トレーニングセンターでAIベースの無人自動運転掘削機を訓練している様子=HD現代のユーチューブチャンネルより//ハンギョレ新聞社

 土煙の舞うオフラインの訓練場と大型モニターを備えたバーチャル・トレーニングセンターが、「インターン社員」であるリアル-エックスの研修所だ。熟練作業者の掘削ノウハウをデータ化して学習させることが要だ。ブーム、アーム、バケット、回転軸などの駆動部に、掘削機の姿勢と位置を測定する状態センサーが設置されている。人間の作業者が操縦席の左右のジョイスティックを動かし、機械のアームやバケットを伸ばしたり、折りたたんだり、回転させたりする際に発生する制御信号を抽出する。同時に、モーターにかかる負荷やシリンダーの圧力などの状態の情報もリアルタイムで収集する。

 チャン主席研究員は「操縦席に座った作業者が周囲の地形情報を視覚的に認知し、それに応じた適切な作業を判断し、ジョイスティックで掘削機を制御して作業を遂行する各瞬間が、作業の時間軸に沿って映像データとアクションデータとして収集される。これを繰り返し学習すれば、似たような状況に直面した時に掘削機が自ら質問しカギを探しだすパイプラインが内在化できる」と語った。

 例えば、無人自動運転掘削機がカメラで前方の石を認識したら、すでに収集してある人間の作業者の行動の中から避けたり掘り返したりといった最適なものを分析し、それに沿った作業を実行する。まるで新入社員がベテランの先輩の作業を見て質問し、説明を聞きながら学んでいくようなものだ。ただし、人間から豊富な作業経験と臨機応変を丸ごと学んだ無人自動運転掘削機は、今後は自らの労働を自ら発展させていくとともに、それをコピーして別の掘削機に伝えていくことになるだろう。

 土木・建設業は収益率が低い。工期の短縮要求が強い。熟練作業者の肉体労働への依存度は高い。韓国はもちろん外国でも、若い新規人材が減少し、熟練作業者の高齢化が加速している。

 米国労働統計局の資料によると、建設業従事者の平均勤続期間は4.1年(2024年)。米国立建設教育研究センター(NCCER)は昨年、米国の建設業者の94%が人手不足に直面しており、2031年までに建設労働者の41%が退職すると予測している。世代交代が遅れると技術や経験は受け継がれず、1つの工事が終わると同時に消失してしまう。

 韓国の小型建設機械メーカーの斗山ボブキャットは今年のCESで、AIベースの大規模言語モデル(LLM)を用いて、作業初心者でも50種類以上の機械の機能を音声で操作できる技術「ボブキャット・ジョブサイト・コンパニオン」を公開した。作業者がやりたい作業を言葉で伝えれば、機械の設定やエンジンの回転数などを自動で最適化してくれる。斗山ボブキャットは「作業初心者の参入障壁を下げるとともに、熟練した専門家はより速く正確に作業できるようサポートする」と述べた。代表的な雇用創出産業である建設現場のAI化は逆らえない流れだ。

■人をどのように移動させるのか

 今年1月に発表された韓国労働研究院の「AIベースの製造業の革新と雇用」と題する報告書は、ロボットを使用した際の各熟練職群の作業時間の削減率を調査している。物理的な作業が伴う建築・建設職群は35~45%と、比較的高い削減率を示している。AIがロボットと合わされば、この数値はさらに上昇する。

 AI、ロボット、データが組み合わさった新たな建設機械や設備が建設現場に続々と登場しつつある。それを扱う新たな職務も生じている。それに応じて、従来の建設技術や機能資格ではカバーできない領域も広がっていく。無人・自動運転技術は追いつくのが難しいスピードで急速に高度化しており、現場の熟練労働者やエンジニアは徐々に中間補助者役に近づきつつある。

 韓国建設産業研究院は先月発表した700ページを超える研究報告書「AI時代が変える建設産業」で、「熟練人材は現場離脱と早期退職を選択するようになる」と述べて、この問題を指摘している。建設現場における熟練作業者の役割がなくなるわけではない。報告書は「ロボットの作業を精密に管理したり、作業品質を最終確認したり、予期せぬ現場の変数に対応したりといった役割は、依然として人間の領域」であるとしている。作業を自らおこなっていた熟練者の役割は管理、判断、責任へと変化するということだ。だとしても全般的な雇用の縮小は避けられないため、変化の速度と水準に対する社会的合意を形成していくプロセスが必要だ。

 報告書の執筆者の1人、建設産業研究院・未来産業政策研究室のキム・ヨンドク先任研究委員は、「これまでの業務領域や労働のあり方、労働時間がそのまま保たれることを前提とするなら、AIによって雇用が減少すると考えることもできる。しかし人口減少、高齢化、生産性の低下など韓国の経済や産業が抱える根本的な課題があり、このような状況下においては、AIの活用が人材と生産性を補完する機能を果たすだろう。ただし、単純労働の領域は減少が明らかであるため、再教育などを通じてどのように彼らを転換させるかが重要だ」と述べた。

 建設業の特性上、再教育には多くの障壁がある。工事が優先される建設人材は、定められたスケジュールに合わせて教育を受けることが難しい。日当中心の賃金構造のせいで、教育を受けることは収入の喪失につながる可能性がある。中小企業の場合、人材プールが少ないため、教育に伴う欠員を補うのが難しい。教育プログラムも就業連携型であるため、すでに就業している作業者の生活サイクルには合わない。報告書は「人をどのように移動させるかに関する国家的な設計の不在」を解決すべきだとして、教育を受けた時間に比例して手当を支給する所得補償型訓練▽中小の建設会社に対する代替人材投入費の支援政策などを提示している。

キム・ナミル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1261460.html韓国語原文入力:2026-06-02 05:00
訳D.K

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