本文に移動

韓国大統領府「韓国船舶への攻撃を強く糾弾」…フランス・中国同様に国は特定せず

登録:2026-05-12 06:35 修正:2026-05-12 08:38
大統領府の全景=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国大統領府は11日、HMMの貨物船「NAMU(ナム)」が攻撃を受けた事件について、「強く糾弾する」としながらも、攻撃を行った主体を明示しなかった。イランを軽率に名指しした場合、ホルムズ海峡に足止めされている20隻余りの韓国船舶の安全を確保することが困難になるうえ、イランへの共同対応を迫る米国の圧力が強まる恐れがあるためだ。政府は追加調査の結果が出るまで、できるだけ慎重な姿勢を保つものとみられる。

 大統領府の高官はこの日、記者団に「(ナム号への外部からの攻撃が)イランと関連があるかどうかは、現時点では未知の領域だ」としたうえで、「(いまのところ)どの国なのかは特定されていない。複数の国を視野に入れて把握している」と述べた。政府内外ではイランによる攻撃の可能性が高いとみているが、これを公には認めていない。同関係者は前日、外交部がイランのサイード・クーゼチ駐韓大使を呼び出したことについても、「対象を特定したわけではなく、近隣諸国の一つであるため、意思疎通や協議を行うためだった」とし、「召致」という解釈を否定した。

 政府が慎重な姿勢を維持しているのは、判断後の外交的波紋が小さくないためだ。イランの攻撃が事実と確認された場合、これまで築き上げてきたイランとの関係がある程度悪化するのは避けられない。現在、ホルムズ海峡にはナム号のほか、韓国船舶25隻が残っている。イランとの関係が悪化すれば、終戦後の韓国船舶のホルムズ海峡通過や原油確保にも支障が生じる恐れがある。

 軍事協力をめぐる米国の圧力も慎重論の背景にあるものとみられる。韓国がイランによる攻撃を受けたと結論付けた場合、米国は中断状態にある「プロジェクト・フリーダム」(解放プロジェクト)への参加を再び迫る可能性が少なくない。大統領府の高官は「(米国が提案した海洋自由連合(MFC)への参加と今回の攻撃を)直接結びつけるほどではないと思う」とし、「今回、我々が攻撃を受けたことは糾弾すべきことではあるが、誰がやったのかという主体はまだ特定されていない段階」と述べ、原則的な立場を示した。

 政府は、韓国とほぼ同時期に自国船が攻撃を受けたフランスや中国、タイなどと対応のレベルに合わせているとみられる。フランスと中国は攻撃を受けた事実を確認したものの、「イラン」など特定の国を攻撃の主体として明示しておらず、タイは外務省を通じてイランに抗議した。大統領府の高官は「他の国の対応を綿密に注視している。我々が取っている対応は、現実的に他の国が類似した状況に対処するものと大きく異なるものではない」と述べた。

 一部では、「強く糾弾する」との言及は、国内の保守層をなだめるためのメッセージだという見方もある。保守野党「国民の力」などは、6月3日の地方選挙を20日余り前に控え、李在明(イ・ジェミョン)政権が国民の安全を守れずにイランに対して生ぬるい態度を示しているとして、猛攻を繰り広げている。こうした中で、政府が「糾弾」のメッセージを出し、断固とした態度を示そうとしたものとみられる。

 いっぽう大統領府は、6日に「ナム号が攻撃されたかは確信できない」と述べたウィ・ソンラク国家安保室長の発言については、「(船に)穴があいたという報告を受けていなかった」とし、「判断を誤ったわけではない」と述べた。

4日、ホルムズ海峡で発生した韓国船舶の火災事故は、正体不明の飛翔体による攻撃によるものであると、政府が明らかにした。外交部は10日、このような内容の政府合同調査結果を発表し、現場調査団が記録した写真を公開した=外交部提供//ハンギョレ新聞社
ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1258178.html韓国語原文入力: 2026-05-12 01:26
訳H.J

関連記事