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「生まれつつある『新たな中東』」…ホルムズ海峡の通航料体制の行方は

登録:2026-04-10 09:07 修正:2026-04-11 07:24
米国とイランが2週間の停戦に合意した後も、イスラエルがレバノンへの攻撃を続けており、死者が増え、停戦も危うい状況にある。8日、レバノン南部のティレで、イスラエルの空爆により建物から煙が立ち上がっている=ティレ/AFP・聯合ニュース

 米国とイランの不安定な「2週間停戦」が続いているが、中東情勢は依然として予測不能だ。ホルムズ海峡は依然として再封鎖の脅威にさらされており、船舶の通過が十分に行われておらず、イスラエルのレバノン攻撃により停戦が破られる可能性もある。

 専門家たちは9日、米国とイランの現実を考慮すれば戦争が終結する可能性はかなり高い一方で、ホルムズ海峡は戦争前に状態に戻ることが困難で、イランや複数の国が参加する「通航料体制」が構築されると見通した。

 韓国外語大学ペルシア語・イラン学科のユ・ダルスン教授は「イランは革命の物語のためにハメネイ師の死後40日(4月8日)に合わせて停戦しようとしており、米国もトランプ大統領が議会の承認なしに戦争できる期限が29日までであるため、その前に『2週間の停戦』を行い交渉せざるを得なかった」とし、「両国のタイムテーブルを考えると、29日以前に不完全な形であれ終戦合意が成立するだろう」と予想した。国立外交院のイン・ナムシク教授は「大筋では米国とイランいずれも停戦の必要性に同意しているが、今のところ、それを安定的に維持する原動力が見当たらない」としてやや慎重な見通しを示した。さらに「トランプ大統領が(米国にとって)栄光ある終戦の形を作れるかどうかがカギであり、イランとしては二度と米国の攻撃がないという保証を取り付けなければならない」と語った。

 イランの核開発、対イラン制裁緩和、ホルムズ海峡問題がどのように解決されるかが、米国とイランの停戦交渉のカギとなる。

 ユ・ダルスン教授は「戦前の交渉でイランは自国の石油開発に米国企業の参加を提案したという」とし、「停戦交渉でこの内容が合意されれば、米国とイランの関係改善や対イラン制裁緩和のシグナルとなり得る。米国も『ペトロダラー』体制(原油取引を米ドル建てで行い、産油国が手にしたドルを米国債などで還流させる、1970年代から続く米ドルの覇権構造)を強化することができるだろう」と語った。イランの核開発についても「濃縮ウラン60%(440kg)をどう処理するかが最大の課題だが、イランが核兵器の開発放棄を表明すれば、トランプ大統領も成果を示すことができるだろう」と見通した。

 ホルムズ海峡は最終的に「通航料を支払う海」になる可能性が高いという分析もある。

 イン・ナムシク教授は「ホルムズ海峡は戦前の状態に戻れない分水嶺をすでに越えている」とし、「サービス料であれ環境税であれ、通航料を課す新たなルールやレジームが作られるだろう」と見通した。さらに「イランが(通航料を)一方的に課すと維持できないため、オマーンをはじめとする周辺の湾岸諸国が参加する形になるだろう」とし、「この問題は長期にわたる交渉の中心であり、合意が成立すればホルムズ海峡は安定するが、韓国などすべての国の通航船舶は今後通航料の支払いを余儀なくされるだろう」と見通した。ユ・ダルスン教授も「イランとオマーンが共同管理するが、米国も一定の役割を果たす形になる可能性が高く、ホルムズ通航料は徴収されるだろう」とし、「トランプ大統領が『共同徴収』に触れたのはこのような文脈からだ」と指摘した。

 イスラエルはレバノンへの攻撃を続け、停戦を破ろうとしているが、最終的には限界があるとみられている。

 ユ教授は「これまでイスラエルは米国が敬遠する『汚れ役』を担ってきたが、今や米国がイスラエルをこれ以上抱え込むことが困難な状況になった」とし、「米国が支援しなければイスラエルは持ちこたえられない」と語った。イン教授は「ネタニヤフ首相は戦争を続けようとしているが、米国内でイスラエルに対する逆風が吹き荒れる中で、イスラエルが引き続き戦争できるかどうかはさらに見守る必要がある」と話した。

 何よりも今回の戦争が「新たな中東」の誕生という重要な転換点であるため、韓国がイランとの外交を積極的に強化すべきだと専門家たちは強調した。

 イン・ナムシク教授は「米国もイランとの交渉を開始しており、韓国もイランとの交渉を本格的に始めるなければならない」としたうえで、「まずホルムズ海峡に足止めされている韓国の船舶26隻の早期通過が重要であり、長期的には中東における新たなルール作りに向け韓国も関与し、激しい外交を行う必要がある」と強調した。ユ・ダルスン教授も「1950年代のスエズ運河国有化以降、世界の覇権と中東情勢に大きな変化が起きたように、今回も新たな中東への転換が行われるだろう」とし、「長期的にはイランの戦後復興への参加や中東秩序の再編を念頭に置いてイランとの外交を積極的に強化し、高官レベルの交流からODA事業まで多角的にアプローチすべきだ」と語った。

 一方、米国政府がイラン戦争に協力しなかったと判断したNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対し、駐留米軍を協力国へ移す案を検討しているという報道が出るなど、同盟への影響も表面化している。

 世宗研究所のキム・ジョンソプ首席研究委員は「NATOでは当初からトランプ政権が兵力削減を検討してきた背景があり、欧州がイランとの戦争で米国に対し明確に線を引いたことで対立が深まったため、ヨーロッパ駐留米軍は実際に削減される可能性がある」と話した。キム研究委員は「米国の中国牽制を考えると、韓国・日本が在韓・在日米軍に短期間で変化をもたらす可能性は低いが、実際に米国が欧州で兵力を削減すれば、同盟全体の警戒心が高まるだろう」と指摘した。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1253447.html韓国語原文入力:2026-04-09 19:13
訳H.J

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