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アルテミス3号は月に行かない…トランプ任期内に中国を追い越すために日程調整

登録:2026-03-07 09:13 修正:2026-03-07 09:21
米フロリダ州のケネディ宇宙センターの発射台に立っているアルテミス2号ロケットと宇宙船。最近実施された発射前の最終試験でヘリウム補給の異常などの問題が発見され、組立棟に移された=NASA提供//ハンギョレ新聞社

 米国航空宇宙局(NASA)が、アルテミス月面着陸計画の進め方と日程を大幅に見直した。2027年に低軌道で月面着陸船のドッキング試験飛行を試み、その後、2028年から毎年1回以上、月面着陸を推進する方針とした。

 NASAは先月27日(現地時間)、2027年中頃に予定されているアルテミス3号の月面着陸計画を断念し、低軌道で月面着陸に向けたシステムと運用能力を試験することにしたと発表した。

 これにより、アルテミス3号は、現在スペースXとブルーオリジンが開発している月面着陸船と、NASAのオリオン宇宙船のドッキング技術の試験の場になる見通しだ。NASAは企業と協議し、アルテミス3号の具体的な任務を公開する予定だ。スペースXはアルテミス3号・4号、ブルーオリジンはアルテミス5号で使用する月面着陸船を受注した企業だ。

 NASAの当初の計画では、アルテミス1号の無人月周回試験飛行、アルテミス2号の有人月周回試験飛行を経て、アルテミス3号で月面着陸を実施するというものだった。アルテミス1号は2022年に打ち上げに成功し、アルテミス2号は発射が2回延期となり、早ければ4月に発射される予定だ。

NASAの新たなアルテミスの任務日程を示す図。2026年に有人月周回試験飛行、2027年に軌道での着陸船のドッキング試験、2028年に月面着陸を試みる日程=NASAのジャレッド・アイザックマン長官のソーシャルメディア(X)より//ハンギョレ新聞社

■中国に先んじるためにアポロ方式に回帰

 NASAのジャレッド・アイザックマン長官は「NASAは地政学的に最も強力な競争国との競争がますます深刻化する状況のもとで、より速く動かなければならない」として、1960年代のアポロ計画のように、試験飛行回数を増やす方式によって目標を達成すると述べた。

 これは、今回の決定が、2029年1月に終わるドナルド・トランプ大統領の任期内に、中国より先に月面着陸を行うという目標を達成するための方針に沿ったものであることを示唆している。トランプ大統領は、昨年12月に署名した「米国の宇宙優位確保のための行政命令」で、NASAに2028年まで米国人を月に送るよう指示した。中国は2030年より前に月に着陸するという目標のもと、最近、月面着陸に使用する宇宙船の試験飛行を実施した。

 NASAのアミット・クシャトリヤ副長官は「まだ学ぶべきことは多く、開発と生産にともなうリスクもきわめて大きい」として、「アポロ計画を設計した方々の知恵を再確認し、実際の飛行と同様のテストを継続したい」と述べた。

 NASAは1969年、アポロ11号の史上初の月面着陸の成功に先立ち、2年間に7回の無人および有人の試験飛行を実施した。これには、アポロ7号の低軌道飛行、アポロ8号の月軌道飛行、アポロ9号の月面着陸船の低軌道ドッキング、アポロ10号の月面降下試験が含まれている。しかし、アルテミス計画ではアポロ7号と9号、10号が踏んだ段階を飛ばしていた。

 NASAの新たな計画によると、月面着陸は2028年のアルテミス4号で試みることになる。場合によっては、同年のアルテミス5号の発射になる可能性もある。アイザックマン長官は記者会見で「必ずしも2028年に2回の試験を行う必要があるわけではないが、そのようにしたい」と述べた。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1247071.html韓国語原文入力:2026-03-01 09:37
訳M.S

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