英国BBCは最近、韓国のりの人気にスポットライトを当てた。BBCは、韓国ドラマとK-POPの影響で韓国のりを求める人が増えていると紹介。韓国は世界一の生産国であり、輸出国でもある。今や西欧では、韓国のりを韓国の半導体に例えて「黒い半導体」と呼ぶ。韓国のりが黒い紙のように見えるからと、「ブラックペーパー」と嘲笑するかのように名付けていたことと比べると、驚くべき変化だ。
のりは「海衣」と呼ばれていた。慶尚道地理誌(1425年)の河東県(ハドンヒョン)の特産品の項目に「海衣」という言葉が登場する。のりの養殖は光陽(クァンヤン)と河東にはさまれた蟾津江(ソムジンガン)河口と莞島(ワンド)で始まったとされている。朝鮮時代、光陽に暮らしたキム・ヨイクの墓碑には「のりを初めて養殖した」という文字が刻まれている。キム・ヨイクは1650年ごろ、光陽の太仁島(テインド)沖で木に付着した海藻を発見し、木の枝を干潟に差し込む「ソプ」養殖法を考案した先駆者だ。のりの養殖は半世紀ほど日本に先駆けたものだ。
韓国では、水揚げしたのりを薄く均一に広げて加工し、えごま油を塗って焼き、ご飯に巻いて食べる。17世紀以降、紙の製造技術を用いて「板のり」の大量生産を始めた日本では、油を塗らないのりが好まれる。生産量2位の中国は、のりをスープに入れて食べられるよう、かたまりに加工する。日本はのりの生産量を漁民に割り当て、高価格戦略を重視した。韓国の漁民は海に網を浮かべ、24時間のりの葉体を水に浸す方法で生産量を伸ばした。
韓国のりは1980年代中ごろから味付けのりへと変身した。調味のりを大量に焼いてビニール袋に入れた「スナックのり」が、日本や東南アジアなどで人気を博した。2010年代、ある大企業がポテトチップスのようにサクサクした「のりスナック」を開発し、米国と英国の大手流通業者での取り扱いがはじまって大ヒットした。このころから韓国の漁民たちは、日本産の改良品種であるスサビノリの養殖に転じた。スサビノリは味は劣るが、成長が早かった。その後、アサクサノリは絶滅危惧レベルに至った。
しかし最近、アサクサノリが復活した。元全南海洋水産科学院のチョ・ジュヒョン博士が2022年、麗水栗村(ヨス・ユルチョン)沖で偶然、アサクサノリの葉体を発見。アサクサノリの最初の養殖地である光陽の太仁島に近い場所だ。全南海洋水産科学院は、昨年10月に麗水など4カ所で試験養殖に成功した。生産量は落ちるものの味と香りに優れたアサクサノリの復元の道が開かれた。韓国のりが「黒い半導体」の地位を失わないようにするためには、のりのブランド化、高級化に取り組む必要がある。